ラボにおけるERESとCSV【第4回】

2015/04/13 施設・設備・エンジニアリング

望月 清

はじめに
「生データの電子化」として以下の内容を2回に分けて説明する。

・生データの定義
・生データの規定と監査証跡
・生データはどれか
・HPLC生データのウォーニングレター
・監査証跡のレビュー
・紙生データの廃棄
・電子生データのアーカイブとバックアップ
・可能な限り信頼性を確保
・デジタルカメラのERES対応
 

1.生データの定義
生データの定義はGxP領域により異なる。省令において生データを定義しているのはGLPだけであり、GMPではGMP事例集(事務連絡)において生データを定義している。PIC/S GMPでは第4章「文書化」において生データを定義している。以下、これらの定義を紹介する。
 

GLP省令における定義1)

・最終報告書の再構成と評価に必要なもの
・試験において得られた観察の結果及びその記録

≫ワークシート、ノート、覚書又はそれらの正確な転写等

≫写真、マイクロフィルム、マイクロフィシュ、コンピューター記録、観察結果が口述された磁気記録、自動装置により記録された試験結果等を含む
 

「GMP事例集(2013年版)」(事務連絡)における定義2)(問 GMP 20-5)
 ・最終結果を得るために使用した元となるデータ
 ・最終結果を得るに至った過程を含む記録
 ・最終結果を検証することができるもの
 

PIC/S GMPにおける定義3)
 ・品質判定の基準として用いるすべてのデータ

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執筆者について

望月 清

経歴 合同会社エクスプロ・アソシエイツ代表。
1973年山武ハネウエル株式会社(現アズビル)入社。分散型制御システム(DCS)を米国ハネウエル社と分担開発。2002年よりPart 11およびコンピュータ化システムバリデーションのコンサルテーションを大手製薬会社にご提供。2009年より微生物迅速測定装置の啓蒙普及に従事。2014年5月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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