健康食品GMPの義務化に向けた適正品質の在り方

消費者の信頼回復に向けた取り組みについて
2024年4月、私、田中良一は、京都府健康福祉部薬務課から、保健所へ移動した。
薬務課では医薬品等のGMP関連業務を中心に行っていたが、保健所では飲食店の許認可などの食品行政を中心に行うこととなった。
2024年4月1日、新たに配属となった保健所に行ったとき、係員の方がせわしなく業務を行っていた。
その業務とは、紅麹関連の製品により健康被害を受けた方々へ、状況を聴取するためのものであった。
厚生労働省などの指示の下、聴取をし、その内容を報告する。
日に日に被害者は多くなっていった。
私も直に健康被害を受けた方と、電話越しでお話を聞いたりもした。
その後、6月末を以って京都府を退職し、現在は株式会社シーエムプラスでGMPコンサルティングを中心に業務を行っており、その中で、この件は健康食品のGMPという観点で状況を確認していた。
あれから1年、厚生労働省から発表されている情報を見ると、今も健康被害の報告は増え続けているようだ。
何故、このようなことになったのか。
そして何故防げなかったのか。
この「何故」が原因で機能性表示食品のGMPも令和6年9月に法令化されている。そして、気付けば、法令化されてから、既に半年以上が経過した。
基本的に機能性表示食品のGMP対応は、機能性表示食品に係る届出者の責任の下、製造メーカーにおいて令和8年9月までに行わなければならない。
また、機能性表示食品のみならず、いわゆるトクホなど、他の健康食品にまでGMP管理が必要とされている時代となってきている。
このGMPへの対応は、あと1年半で終わらせなければならない。
前職の京都府では、医薬品や医療機器などの販売や製造メーカーがGMPやQMSの法令化や高度化に対応してきているのを間近で見てきたが、対応には相当な時間がかかる。
一部のメーカーでは、夏休みの宿題を、夏休みが終わる直前に切羽詰まって一気に終わらせようとするような、付け焼き刃的な対応を行ってしまい、その後の行政査察などで痛い目を見ている様子も知っている。
このような対応をする場合、「何故」このようなことが起きたのか、「何故」GMPが法令化されたのか、「何故」GMPが重要なのかをしっかり理解する必要があるし、実際に製品を作る従業員の方に理解してもらう必要がある。
そして、紅麴関連の事案は、医薬品等の過去の薬害や、最近の品質問題事案とよく似た側面を有しており、また、GMPという観点からいうと、医薬品と健康食品で基本は変わるものではなく、医薬品の製造で行われているGMPを参考とすることは今後の健康食品の製造を踏まえると非常に良いことであると考える。
また、現在、医薬品などの製造を実施しており、GMP管理を既にしている方々にとっては、その強みを活かして新たに健康食品の製造などに参入できるかもしれない。
弊社では、このような時世を踏まえた健康食品GMPに関するセミナーを6月に実施することとした。
是非、機能性表示食品やトクホなどの健康食品を販売・製造しているメーカーの方や、今、医薬品等の製造を行っているメーカーの方も聞いてもらいたい。
■セミナータイトル
健康食品GMPの義務化に向けた適正品質の在り方
~消費者の信頼回復に向けた取り組みについて~
■日程
2025年6月6日(金)10:30-16:00
■講師
株式会社ファンケル美健
統括管理本部 品質統括部 品質統括グループ
課長 西端 智香子 氏
株式会社シーエムプラス
コンサルティングサービス事業本部 田中 良一
エンジニアリング事業本部 須賀 康之
■詳細、お申し込み
https://www.gmp-platform.com/seminar_detail.html?id=2760
■受講者特典
本セミナーご受講者様(希望者のみ)に限り、30分の無料コンサルを実施します。
(お申し込み方法は、上記URL先の詳細にてご確認ください)
例)
・関連の工場建設を検討している、既存設備の改修を検討しているが何から始めればよいか?
・文書体系が適切なものか分からない
・GMP義務化にあたって自社工場の構造設備、ハード面が問題ないか確認したい
・社内教育をしたいがどのような内容を実施したらよいか分からない
・製造委託先への実地確認など、どこに気を付ければよいか検討したい など
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