医薬品のモノづくりの歩み【第36回】

執筆者関連書籍「医薬品製造におけるモノづくりの原点と工場管理の実践

医薬品の「モノづくり」と小集団活動(2)

 前回に続き、小集団活動について話を進めますが、今回は、その進め方について紹介します。小集団活動の進め方は、多くの書籍が出ており、インターネット検索でも、いろいろな情報を得ることができますので、ここでは、基本的な進め方の流れに沿って、段階ごとのポイントについて触れていきたいと思います。1)
小集団活動の進め方は、一般的に図1のように進められていきます。

図1 小集団活動の進め方

 まず、活動を始める前に、会社や工場内に活動推進体制を構築して、活動チームを編成するところから始まります。チーム編成では、業務内容に共通性のある職場単位の構成が基本ですが、それ以外に、共通の問題や課題を持った関係者が、職場や部門を超えて編成する部門横断型のチーム編成があります。チームメンバーの人数は、コミュニケーションが取りやすく、活動し易い5名から8名程度の小人数で編成し、メンバーの中からリーダー、サブリーダーなどメンバー各々の役割を決めますが、ここでのポイントは、事前に、活動を進める上での定期的なチームミーティングの開催方法や開催場所など基本的な活動ルールを決めておくことです。準備ができたら活動開始です。まず、テーマの選定です。
 テーマの選定では、日常業務で起こっている問題や課題から選定しますが、選定には、日頃の業務の現状の姿に対して、現在のあるべき姿のギャップを解決する問題解決型と将来のあるべき姿のギャップを解決する課題達成型のタイプがあり、進め方が異なることに注意します。問題解決型は、現状の目の前に見える今の姿がすでにわかっているので、あるべき姿を明らかにすれば、現状とのギャップを無くすよう、その原因を改善しくことができます。目標値も、現状の姿に着目して「設定している目標値」と現状の差になります。それに対して課題解決型の活動は、これまでのやり方では解決できないようなことをテーマとして取り組みます。目標値は、将来の目指す姿に着目し「将来にあるべき姿の目標値」と現状との差になります。次に現状の把握です。
 現状把握では、テーマとして取り上げた問題の全体像の特徴を幅広く、いろいろな視点で確認しますが、そのポイントは、問題の特徴を見つけるために多くの異なった視点から調査することです。実際の状況を過去から現在まで調査して可能な限りデータ化しますが、三現主義(現場、現物、現実)に立ち、現場に行って自分の目で確認しながらデータに現れない必要な情報を集めることも大切です。そして、目標の設定と活動計画の立案です。
 目標の設定では、現状把握で明確にした問題を解決するための項目、期限と目標値を設定します。ここでのポイントは、活動がマンネリ化しないよう、余り長い活動期間としないこと、活動計画は、誰が、いつまでに、何を検討するか、「歯止め」までチーム活動の全体計画にガントチャートなどを用いて、適切に立てることです。また、活動の目標値を高く設定する場合は、1回の活動で問題をどこまで解決するか明確にすることや、段階的に目標設定することも考慮します。

 

 

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