製薬事業所のペストコントロール【第17回】

ペストコントロールに係る査察・監査
◆ ペストコントロールに係る査察・監査
査察と監査に際して、どのような視点から指摘が生じるのかについて取り上げ解説する。ここで言う「査察」とは規制当局が行なうGMP調査を指し、「監査」とは取引先の企業(納品先)が行なう二者監査を指すこととする。
ペストコントロールプログラムに対する指摘の視点
規制当局の指摘の事例については、本連載の第4回から第5回にかけて、主に海外当局からの事例を取り上げたが、これらは各規制当局の法規制を根拠とする指摘であり、また、当該法規制と調査対象企業の事情に基づいて対象企業自身が規定した、ペストコントロールに関する手順書、管理プログラム等を根拠とする指摘である。
当該法規制については、本連載の第2回に取り上げているので、詳しくはこれを参照されたいが、EUのEudraLex - Volume 4 - Good Manufacturing Practice (GMP) guidelinesと、米国のCFR21 part 211 cGMP Subpart C-Buildings and Facilities(建物および施設)§ 211.56 Sanitation(サニテーション)の両者が、有害生物の侵入を防ぐ建物・施設の構造の要求とペストコントロール規定類の文書化を要求し、日本の薬局等構造設備規則(省令第二号)第二章 医薬品等の製造業 第一節 医薬品の製造業(一般区分の医薬品製造業者等の製造所の構造設備)が、防虫及び防そのための構造又は設備を有すること、を要求している。これらの法規制に基づいて、建物・施設に有害生物の侵入を許す不備(例:侵入が可能な施設の劣化、貫通箇所、排水溝・排気口)が観察された場合や、策定した管理プログラム/規定手順からの逸脱が観察された場合に指摘を受けることになる。
当局のGMP調査官向けに開催されているGMP研修会では、GMP調査官の立場からの査察対象施設におけるペストコントロールプログラム自体に対する評価の視点として、プログラムのタイプ別に、法的要件を含めた以下の視点が取り上げられている。
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