GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第85回】

逸脱管理のリスクマネジメント

1.是正措置及び予防措置(CAPA)システム
 是正措置及び予防措置(CAPA)システムについて、医薬品品質システム要素としてICH Q10医薬品品質システムに示されている。

<図1 ICH Q10医薬品品質システム>

 CAPAシステムとして実行すべき逸脱を変更管理として実施する製造所が多い。CAPAシステムと変更マネジメントシステムは独立したシステムである。品質リスクマネジメントは、達成のための手法として求められている。是正措置すべき事象を変更管理として行うべきでなく、リスクマネジメントを手法として実施しなければならない。
ICH Q10医薬品品質システムに関するガイドライン1)で、CAPAシステムを確認する。

3.2.2 是正措置及び予防措置(CAPA)システム
製薬企業は、苦情、製品不合格、非適合、回収、逸脱、監査、当局の査察及び指摘事項についての調査並びに製造プロセスの稼働性能及び製品品質のモニタリングからの傾向に起因する、是正措置及び予防措置を実施するためのシステムを有さなければならない。また、根本的原因を決定する目的で、調査プロセスに対する構造化された取り組みが用いられなければならない。ICH Q9に述べられているように、調査の労力、正式さ及び文書記録のレベルは、リスクレベルと相応しなければならない。CAPAの方法論は、製品及び製造プロセスの改善並びに製品及び製造工程のより深い理解に結びつかなければならない。
表Ⅱ:製品ライフサイクル全期間にわたる是正措置及び予防措置システムの適用


 是正措置及び予防措置は、逸脱や外部からの指摘事項などに対して、改善措置を行う必要が生じた事例である。生じたリスクに対して、原因を究明して、再発防止及び未然防止の徹底を図らなければならない。変更管理と異なり、問題は生じており、先ずは、原因を究明しなければならない。そのうえで、再発防止、予防措置を行うことがCAPAシステムである。

 

 

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