GMPに関わる委受託の課題【前編】
【前編】供給者と外部委託業者
「サプライチェーン」は直訳すれば「供給連鎖」ですが、現在、ビジネスにおいて、この全てを自社で賄うということは珍しく、各業務でサプライヤー(供給者)からの協力を得て業務遂行をしていることが一般的でしょう。
サプライチェーンを医薬品に当てはめると、創薬、開発から原料・資材の調達、生産加工や在庫管理、流通や販売における物流などの一連の流れと言えますが、CRO(医薬品開発業務受託機関)、CDMO(医薬品開発製造受託機関)を始め、物流での3PL(サードパーティロジスティクス)も身近な用語となりました。
本稿では、そのような「医薬品業界での委受託」の中で、GMPに関連する箇所にフォーカスをあて、主に委託側視点での留意点について、前編・中編・後編の全3回で取り上げます。なお、本稿の内容や掲載画像は、弊社シーエムプラスが提供するeラーニング「QCD+(キューシーディープラス)」に含まれる、外部委託業務に関する以下3テーマの教材を参考資料としています。
・『原料供給者と外部委託の管理』
・『サプライチェーンと供給者管理(1)-供給者の選定-』
・『サプライチェーンと供給者管理(2)-供給者との継続的連携-』
さて、本論に入る前に、医薬品の委受託製造に関する話として、GMP Platform掲載記事を紹介します。2013年~2014年に連載していたので、10年以上前の掲載内容となりますが、今でも「委受託双方がWin-WinとなるためのKey Pointになるものはなにか」を知ることができるかと思いますし、何よりも、読み物として面白いのです。
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『医薬品委受託製造に関する四方山話』著者:笠井隆行氏
【第1回】医薬品製造の位置付けと特徴
【第2回】医薬品製造をアウトソーシングする理由
【第3回】内製・外製の切り分け
【第4回】委託先の選定方法
【第5回】委受託契約について(その1)
【第6回】委受託契約について(その2)
【第7回】委受託製造ビジネスの醍醐味(番外編)
【第8回】技術移転(その1)
【第9回】技術移転(その2)
【第10回】技術移転(その3)
【第11回】商用製造に入ってから
【第12回(最終回)】CMO協会の活動とCMOビジネスの今後
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本稿のメインテーマである「課題」に入る前の情報が続きますが、今回は「供給者」と「外部委託業者」という2つのキーワードに触れたいと思います。
次のページ内容:GMP省令とPIC/S GMP Guideの要約
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