リスクアセスメント&マネジメント(RAMP)【第1回】

2015/01/30 品質システム

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医薬でのRAMP:Risk Assessment and Management Plan、つまりリスクマネジメントの基本は、患者への影響の最悪の事象に備えて危険な事象(リスク)を詳細に分析し、悲観的にリスク対策を準備し、楽観的に対処することである。さらに、GMP でのリスクマネジメントにとって重要なのは、今後品質への影響があるか、その影響を最小限(許容できる大きさに)に縮小できるかを実践することである。また、その縮小されたリスクが、許容できる大きさであるかを見極める、将来を予測した活動である。リスク自体の本質と展開を見極めずに、対症療法的なリスクマネジメントをすると、失敗を繰り返すことが多く見られる。
 

リスクマネジメントのシミュレーションというのも、起きてはならない万が一の事態にどう対処するかを考えておく作業である。
リスクアセスメント&マネジメントは、リスクが起きる確率を最小限にする、もしくは起きた場合速やかに検出してその被害を最小限にすることを準備することである。
リスクアセスメント&マネジメントとは、リスクを零にすることではない、許容できる程度に縮小することである。
 

リスクは、万有引力と同じで、何かを行うと発生する・存在するものである。
 

リスクマネジメントとは、存在(潜在)するリスクを最小限(許容できる)の大きさに管理することである。
管理するのは、リスクの大きさ(確率)であり、リスクそのものを零にすることではない。
リスクの大きさは、リスクが及ぼす影響の大きさと、起きる可能性(確立)の掛け算である。
このリスクの大きさに、発見の容易性(修復)のし易さを乗じたものが、残存リスクの大きさとなり、その大きさによりリスクマネジメントの容易・困難さを表す。
 

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執筆者について

古澤 久仁彦

経歴 1978年住友化学工業に入社、創薬、安全性等に従事。2004年三井農林(株)に入社APIの製造部門にて、信頼性保証部長を歴任、2010年テバ製薬(旧大洋薬品)に入社、信頼性保証部門、部長としてvendorのGXP全般の監査を担当。2014年退社。
製造所のGM(X)P監査・risk評価並びGMP管理(製造管理、品質保証・管理、文書管理)の実践的対応、risk分析、PMDA/FDA査察の実践的対応を得意とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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