リスクアセスメント&マネジメント(RAMP)【第3回】

2015/04/03 品質システム

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無菌設備管理のfailureの例
記憶に新しい例を挙げると ;

EMAは11月22日、GMP査察の結果、BVLの製造管理にGMP管理上の不備が認められたと発表した。他の製造所から供給できない医薬品については、引き続き使用を認める一方、他の製造所で代替可能な製品に関しては、予防的回収を行うべきであるとの勧告を行った。 実質の製造設備の使用禁止措置である。

対象となるのは、抗癌剤「XXX注射用3mg」(一般名 : ボルテゾミブ)、骨髄異形成症候群治療剤「XXX注射用100mg」」(一般名 : アザシチジン)、造血幹細胞移植前治療剤「XXX点滴静注用60mg」(一般 : ブスルファン)の3製品。
EMAの使用停止勧告を受け、製造販売元であるXXX、XXX、XXXの3社は11月29日から、BVL社製の製品に関して、自主回収に踏み切った。
なお、自主回収の対象となる3製品は、BVL以外の製造所からも出荷しているため、安定供給に支障はないとしている。
 

薬事日報 2011年11月30日(http://www.yakuji.co.jp/entry24917.html)より。一部改編。


リスクassessmentを行うと、2010年以前には、RPN(Risk Priority Number:危険優先指数)は製造所として高いリスクを示していたと容易に推測される。
RPNを計算すると ; 
重篤度 ; 回収に繋がる、製品汚染の可能性が潜在的の存在する
頻度 ; bioburdenのfailureの頻度から、高頻度での起きている可能性がある。(10lotに1回程度)
検出・除去能;異物・微生物汚染のため、検出は困難な分類
RPN= (重篤度 high)×(頻度、高、)×(検出能・除去能 困難)、5×3×5=75
結論としては、非常にリスクが高く、早急な対策が必要と判断される。
予想されるリスク ; 無菌性の不備に寄る健康被害の導入もしくは製品回収、もしくは製造所へのwarning letterの発出による、供給不安
 

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執筆者について

古澤 久仁彦

経歴 1978年住友化学工業に入社、創薬、安全性等に従事。2004年三井農林(株)に入社APIの製造部門にて、信頼性保証部長を歴任、2010年テバ製薬(旧大洋薬品)に入社、信頼性保証部門、部長としてvendorのGXP全般の監査を担当。2014年退社。
製造所のGM(X)P監査・risk評価並びGMP管理(製造管理、品質保証・管理、文書管理)の実践的対応、risk分析、PMDA/FDA査察の実践的対応を得意とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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