製薬事業所のペストコントロール【第13回】
◆ 参考となる規範 その2
前回に続き、ISO/TS22002-1:2009 Prerequisite programmes on food safety – Part 1: food manufacturingのペストコントロールに関する規範(要求事項)を取り上げ解説する。
管理プログラムの考え方
要求事項 12.3 アクセス(侵入)の予防
建物は,手入れがよく行き届いていなければならない。穴,排水管及び他の潜在的な有害生物のアクセスポイン卜は,塞さがなければならない。
外部の扉,窓,又は換気装置の開口部は,有害生物侵入の可能性を最低限にするよう設計されていなければならない。
建物は,手入れがよく行き届いていなければならない。穴,排水管及び他の潜在的な有害生物のアクセスポイン卜は,塞さがなければならない。
外部の扉,窓,又は換気装置の開口部は,有害生物侵入の可能性を最低限にするよう設計されていなければならない。
当該要求事項は、建物についてのベストコントロール上の “遮蔽性” に係る要求事項である。建物の遮蔽性に関しては、GMPの規範、即ち、
- 「防虫及び防そのための構造又は設備を有すること(省令第二号)」、
- 「建物には、げっ歯類や鳥類、昆虫類、その他の有害小動物(試験動物は除く)が侵入できないこと。“Any such building shall be free of infestation by rodents, birds, insects, and other vermin (other than laboratory animals).(CFR21 part 211 § 211.56 Sanitation)“」、
- 「昆虫又は他の動物の侵入から最大限に防御できるように、施設を設計し、装備すること。“Premises should be designed and equipped so as to afford maximum protection against the entry of insects or other animals.”(PIC/S GMP Part I - Chapter 3: 3.4)」、
と同様要求事項である。
この要素については、手順や教育訓練に置き換えることは困難であることから、前回(第12回)の「要求事項 12.2 有害生物の防除プログラム」で言及した「標的となる有害生物の特定」を踏まえた“遮蔽性”を実現しなければならず、場合によっては、一定程度の施設の修繕や保守管理の見直しが求められることになるであろう。現実の製薬工場の中で、外部から昆虫類が侵入し放題になっている例はあまり観察されないが、「標的となる有害生物」が微小な昆虫類である場合(例えば、初夏にみられるタカラダニの侵入)は、施設の部分的な修繕や保守管理の見直しに発展しているケースがある。
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