医薬品GLP基礎知識のよもやま話【番外編】

2020/08/14 非臨床(GLP)

GLP(Good Laboratory Practice)は、医薬品を含む化学物質の安全性に関する非臨床試験データの品質(Quality)と信頼管理(Credibility)を確保するために開発された品質管理・検証(QC:Quality Control)と品質保証(QA:Quality Assurance)のシステム(基準)であり、GLP対象外試験への教科書でもあります。第1回~3回まで、医薬品におけるポイントをつぶやいて参りました。
ただ、GLPは信頼性を確保するための教科書と同時にGLP対象試験では、省令による基準であり、新薬承認・販売申請時には規制当局によるGLP適合の確認書が必須となります。此処では、試験のGLP適合確認に係わる情報をつぶやきます。

■医薬品におけるGLP適合確認のための試験区分及び試験項目(試験は割愛)
試験区分として試験施設の管理と機器並びに試験従事者の手技の隔たりにより、試験管内で行うin vitro試験、主として動物を用いるin vivo試験、並びにその他の試験の3区分に分け、次のような試験項目で適合確認が行われています。
In vitro試験:
 ⇒遺伝毒性(in vitro限定)、安全性薬理コアバッテリー
    (in vitro限定、心血管系)
In vivo試験:
 ⇒単回投与毒性(急性)、反復投与毒性(亜急性、慢性)、
      遺伝毒性(in vivo限定)がん原性、生殖発生毒性、局所刺激性(局所性)、
  抗原性(局所性)、皮膚(光)感作性(局所性)、
  安全性薬理コアバッテリー(in vivo限定、中枢神経系、心血管系、呼吸器系)
  免疫毒性
その他の試験:
 ⇒依存性、トキシコキネティクス測定、受託病理組織学的標本作製、

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執筆者について

飯島 護丈

経歴 獣医師、1975年台糖ファイザー株式会社(現:ファイザー社)入社。
研究所では、各種毒性試験の試験責任者を担当し、申請書類の作成、照会事項への対応にも携わる。新医薬品・医療機器・医薬品添加物、一般薬、農薬、動物用医薬品、化学物質の品目に係わる。
GLP導入に伴い米国や欧州でGLP研修を受ける。GLP統合型毒性試験システムの導入・運用のためSystem manager研修、責任者も務めた。
その他、医学系大学病理学で学位を受領、モントリオール大学では毒性学の研究も行う。
2007年定年退職後、AEIC研究所 代表 非臨床開発コンサルタント
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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