【第4回】電気/電気設備のなぁぜなぁぜ

2024/12/27 施設・設備・エンジニアリング

工場における電気設備設計のポイントについて。

こんにちは。

シーエムプラスの中村です。
 今回の「電気/電気設備のなぁぜなぁぜ」は、前回「工場の電気設備について」の続き、「工場における電気設備設計のポイント」を2回に分けてお話しします。前半は、工場の設計に重要な内容について強電設備を中心に説明します。それでは、具体的に見ていきましょう。

電気室・キュービクルの配置
 工場の電力を管理する電気室とそこで使用するキュービクルの設置は非常に重要です。それは、キュービクルから分電盤や動力盤まで延ばす幹線ケーブルの長さが、建設コストに大きく影響するからです。理想的には、電気室は建物の中心に設置されるべきですが、生産設備があるためその場所の選択は難しいでしょう。そのため、「配線の長さが可能な限り均一になる場所」を探すことがポイントです。別の観点からは、電気室を消費電力の大きい機器の近くに設置し、配線を短くすることもポイントになります。また、建設コスト削減のため、電気室を設けずにキュービクルを屋外に設置することも考慮されます。加えて、BCP(事業継続計画)の観点から地域のハザードマップを参考にし、浸水リスクのある場所ではキュービクルや非常用発電機などの設置を2階以上にすることが望ましいです。

供給電圧
 工場で使用する機器に対して電圧は、建設コストに影響するため重要です。例えば、3相の動力電源は一般的には200Vを使用しますが、400Vで供給する機器もあります。第2回で電気についての基礎知識のお話がありましたが、同じ電気容量でも電圧が高いと低い電流で済むため電線やケーブルを細くすることが出来ます。但し、電圧を変えることによって機器だけでなく変圧器や動力盤のコストも影響しますので全体的なバランスを考えることも大切です。

 

 

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執筆者について

中村 一久

経歴

株式会社シーエムプラス エンジニアリング事業本部 シニアエンジニア(電気)
第三種電気主任技術者


1996年に電力系電気設備工事会社入社し、建築電気設備の設計・積算、施工管理に従事。大型商業施設・オフィス高層ビル・工場・データセンターを経験。
2021年に株式会社シーエムプラスに入社、プロジェクトの概念設計・基本設計・CM業務に携わっている。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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