製販/MF国内管理人からみた外国医薬品製造所GMP適合性調査【第4回 最終回】
2018/12/07
品質システム

第4回は、実地調査における製販(MF国内管理人)の同行及び通訳について所感を述べる。
同行について(新薬申請のケース)
GMP調査の日程が決まると機構の担当官から、同行者の人数、職位、製造所への自己監査の有無、移動方法などの問合せがある。外資メーカーに同行者数について聞き取り調査を行ったことがあるが、多くの場合、同行は1~2名と聞いている。現地で調査に対応するのは多くの場合QA部門のVice President又はSenior Directorクラスの責任ある立場の人が多いので同行者も相応の人選を考えれば良い。問題等が発生した場合、その場で決断できる責任ある立場の人が立ち会うのが基本である。
自社の関連施設への調査である場合は、実地調査に同行することに何等問題ないのであるが、第三者機関に製造を委託している場合やMF登録品の場合など同行が難しい場合がある。FDAやEDQM等の査察では、製販業者は同行しないことが普通のようであり、製販業者が当局の査察に同行することに対して理解を得ることが難しいことがあるため、事前に十分なコミュニケーションが必要である。また、理解が得られたとしても機密事項が関わる場合もあり、調査の現場に同席出来ない場合も多い。筆者は製造委託先へのGMP調査において調査期間中別室で待機した経験が数回ある。また、MF登録品の場合も、調査申請するのは製販業者であるが、外国製造所への同行あるいは同席は難しいのが現状である。更に、同行は出来ても同席が難しい場合、調査の現場でどのような指摘・やりとりがあったかの情報が不十分となり照会事項の対応で困ることがある。GMP調査を効率的に行うため製造委託やMF登録品の場合であっても、製販業者(MF国内管理人)が同席することが有効な場合は多々あると思われるので、機構による一定のルール作りが望まれる。
同行について(後発品申請のケース)
一方、後発品申請では新薬の場合と比べ状況は大きく異なる。後発医薬品の促進政策と相まってインド、中国、韓国を中心としたアジア圏へのGMP調査が増加していることは述べたが、多くはそれらの国々からの原薬輸入であり原薬製造所へのGMP調査が増加していると思われる。また、原薬は原薬等登録原簿に登録されていることが大半であり、製販数社が同一のMFを引用していることも多く、GMP調査も新薬の場合と比べ自ずと異なって来る。例えば、MF登録された原薬を2社が引用しておりGMP調査において、各社から2名が同行する場合、製販4名、国内管理人2名となり、機構の担当官2名及び通訳2名を加えると全体で10名の団体が製造所を訪問することになる。宿泊先から製造所まで貸し切りバスで移動するといった新薬メーカーの担当者には想像も出来ないようなことが起こる。十分な広さの会議室を持つ製造所であれば問題ないのであるが、後発品原薬製造所の多くは小さな工場であり、会議室も限られたものであることが多く狭い会議室で4日間を過ごすこともある。
原薬製造業者の知的財産を保護することがMF制度の根幹にあるが、新医薬品の場合と比べると多くの場合、後発品製造業者は鷹揚である。即ち、上述のとおり新薬に係る製造業者は、製販あるいはMF国内管理人であってもGMP調査に立ち会わせないことがあるが、後発医薬品では筆者の知る限り皆無であり、製販担当者が知的財産に関わりありそうなところまで立ち入ることが出来るのが大半である。知的財産の保護よりビジネスが優先する世界なのであろう。
同行について(新薬申請のケース)
GMP調査の日程が決まると機構の担当官から、同行者の人数、職位、製造所への自己監査の有無、移動方法などの問合せがある。外資メーカーに同行者数について聞き取り調査を行ったことがあるが、多くの場合、同行は1~2名と聞いている。現地で調査に対応するのは多くの場合QA部門のVice President又はSenior Directorクラスの責任ある立場の人が多いので同行者も相応の人選を考えれば良い。問題等が発生した場合、その場で決断できる責任ある立場の人が立ち会うのが基本である。
自社の関連施設への調査である場合は、実地調査に同行することに何等問題ないのであるが、第三者機関に製造を委託している場合やMF登録品の場合など同行が難しい場合がある。FDAやEDQM等の査察では、製販業者は同行しないことが普通のようであり、製販業者が当局の査察に同行することに対して理解を得ることが難しいことがあるため、事前に十分なコミュニケーションが必要である。また、理解が得られたとしても機密事項が関わる場合もあり、調査の現場に同席出来ない場合も多い。筆者は製造委託先へのGMP調査において調査期間中別室で待機した経験が数回ある。また、MF登録品の場合も、調査申請するのは製販業者であるが、外国製造所への同行あるいは同席は難しいのが現状である。更に、同行は出来ても同席が難しい場合、調査の現場でどのような指摘・やりとりがあったかの情報が不十分となり照会事項の対応で困ることがある。GMP調査を効率的に行うため製造委託やMF登録品の場合であっても、製販業者(MF国内管理人)が同席することが有効な場合は多々あると思われるので、機構による一定のルール作りが望まれる。
同行について(後発品申請のケース)
一方、後発品申請では新薬の場合と比べ状況は大きく異なる。後発医薬品の促進政策と相まってインド、中国、韓国を中心としたアジア圏へのGMP調査が増加していることは述べたが、多くはそれらの国々からの原薬輸入であり原薬製造所へのGMP調査が増加していると思われる。また、原薬は原薬等登録原簿に登録されていることが大半であり、製販数社が同一のMFを引用していることも多く、GMP調査も新薬の場合と比べ自ずと異なって来る。例えば、MF登録された原薬を2社が引用しておりGMP調査において、各社から2名が同行する場合、製販4名、国内管理人2名となり、機構の担当官2名及び通訳2名を加えると全体で10名の団体が製造所を訪問することになる。宿泊先から製造所まで貸し切りバスで移動するといった新薬メーカーの担当者には想像も出来ないようなことが起こる。十分な広さの会議室を持つ製造所であれば問題ないのであるが、後発品原薬製造所の多くは小さな工場であり、会議室も限られたものであることが多く狭い会議室で4日間を過ごすこともある。
原薬製造業者の知的財産を保護することがMF制度の根幹にあるが、新医薬品の場合と比べると多くの場合、後発品製造業者は鷹揚である。即ち、上述のとおり新薬に係る製造業者は、製販あるいはMF国内管理人であってもGMP調査に立ち会わせないことがあるが、後発医薬品では筆者の知る限り皆無であり、製販担当者が知的財産に関わりありそうなところまで立ち入ることが出来るのが大半である。知的財産の保護よりビジネスが優先する世界なのであろう。
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