医薬品と化粧品の本質の比較・異同点
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はじめに
一人の消費者としての感覚で表現しますと、医薬品は薬局で購入し化粧品はデパートの1階や化粧品専門店で購入するという違いが、昭和の時代には比較的明確であって、お互いにかけ離れた存在になっていたように思われます。ところが医薬品と化粧品が同じ店舗で扱われるドラッグストアという流通スタイルが普及するにつれ、また医薬品と化粧品の中間に位置する医薬部外品が増加したり、製薬企業による化粧品市場への進出が拡大することで、この昭和的なイメージが徐々に薄くなってきたように感じられます。一方、医薬品と化粧品は同じ薬事法で規制されているわけですが、同じ規制を受ける場合とそうでない場合があり、薬事法に携わっている業界人でさえ、その違いが見えにくいように感じられます。そこで本稿では、このような時代背景と法規制の中にある医薬品と化粧品について、その本質を可能な限り明確にしてみたいと考えます。
1.薬事法上のカテゴリーについて
薬事法は、その対象を医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の4つのカテゴリーに分類しています。医療機器を除く化学系製品としては3つのカテゴリーということになるわけですが、医薬部外品は小泉政権時代に「購入しやすい医薬品の推進」という趣旨のもと、医薬品から移行した指定医薬部外品と新範囲医薬部外品、並びに従来からの医薬部外品の3種類に分類されていす。そして従来からの医薬部外品には腋臭防止剤、てんか粉類、育毛剤(養毛)、除毛剤、忌避剤、及び厚生労働大臣指定があります。実は薬用化粧品(薬用石けんを除く)は、この最後の厚生労働大臣指定にあたり、薬事法の中で明確に明文化されて規定されているわけではありません。これを図にすると図1のようになります。
(図1)薬事法上のカテゴリー
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