【第5回】私が経験した(GMP)医薬品製造にまつわる話

 私が経験した過去の事例をご紹介します。

1.承認書理解不足、技術移管の不手際

 乾燥工程のコスト対策で添加剤を加温したため、かなりの量がストレーナー網にゲル化を起こし廃棄させて製造していました。当時、後工程を担当して今までと違う廃水が流出したため、反応槽を固着させて長い鉄棒でかき回すようなことがありました。そのような改善はおかしいと思い、ゲル化を抑制する改善をしたところ、乾燥後の製品は今まで見たことないきれいなマイクロカプセルになり当然、廃水も正常に戻りました。

2.人事に関して

 人事異動で発見する間違いや改善点などもあります。私見ですが、上位職は長くても3年で異動した方が良いかと思います。とある外資は、マネージャーは3年で異動すると聞いたことがあります。
前の方の悪口言う時間ないですね。だから前向きな仕事をしますね。

3.業者報告(バリデーション)の問題隠し

 混合添加剤を篩過装置、一日かけて100Kgする作業の時短検討をしました。振とう篩過機の勉強をして、装置下部の分銅を調整し、(位相角45°)にて2時間作業となりました。
 業者報告(バリデーション)で、完全にできなかったと報告された内容なのに、現場に導入され、現場作業員が苦労した話です。

4.長期に交換しなかったプレフィルター

 エアーシャワーに入ったときに生ぬるい風と異臭に調子が悪くなったことがあります。そこで調査をした結果、なんとプレフィルターに灰色のゴミが厚く付着していたのです。なんと6年交換や清掃していないとわかりました。この影響から室内空調もリターンモーター壊れて新調工事することになってしまいました。


5.錆びた金属活字でチューブ製品

 油を湿らせた布に入れて管理すれば、金属活字は錆びないのにそのまま使って錆がついたチューブ製品をブラシで掃除していました

6.機器の運転

 緊急停止ボタンで起動停止が頻繁に起こってしまう。バリデーションしましたか?SOPは?機械メーカー推奨の操作方法の確認が必要です。
※案外、メーカー取説をベースにしていないSOPって結構多発している可能性があります。

 

 

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