知的財産の基本から知財ミックスまで【第22回】

2024/04/26 その他

組物の意匠について。

 

組物の意匠について

 

こんにちは、弁理士法人ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
今回は意匠特有の制度である、組物の意匠について説明します。
 

1.組物の意匠の概要
 意匠法第7条には、意匠登録出願は意匠ごとにしなければならない旨が規定されており、原則として一物品等に関して一つの意匠出願をする必要があります。

 しかし、二以上の物品等であっても、「飲食用ナイフ、フォーク及びスプーンセット」の様なセットデザイン等の「組物」については、組物全体の一意匠として保護を受けることができます(意匠法第8条)。

  組物の意匠として登録されるためには、以下の要件が必要です。
  (1)経済産業省令で定める組物の意匠に該当すること 
  (2)同時に使用される二以上の物品等であること 
  (3)組物全体として統一があること

 上記(1)の「経済産業省令で定める組物の意匠」の、「経済産業省令」とは、意匠法施行規則のことであり、意匠法施行規則第8条の別表には、「一組の家具セット」、「一組の医療用機器セット」のような43の組物が記載されています。これらのどれかに該当する組物であれば登録され得ます。
 なお、組物の各構成物品等は、現実に全てが同時刻に使用されることまでは要求されておらず、組物の意匠の用途及び機能や使用の目的等に則してなされる一連の使用の範囲内で用いられるレベルで足ります。
 また、別表に記載された「一組の医療用機器セット」といった枠内であれば、それに含まれる構成物品等は自由に選択できます。物品としては同一のものであっても、組物の意匠として登録することもできます。全体として統一性のあるグラス4本の意匠を「一組の飲食用容器セット」として登録した例もあります(意匠登録第1737652号)。

 ご参考までに、「一組の医療用機器セット」の登録例を見てみましょう。
 <意匠登録第1762970号>
 当該意匠は、使用者の身体に装着して心電データを記録する心電計と充電台を一組の医療用機器セットとして登録したものです。
 下図は、「心電計を充電台に載置した状態の斜視図」です。
 


 

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執筆者について

鈴木 徳子

経歴

ブランシェ国際知的財産事務所 共同代表弁理士。
代々医師の家系に生まれ医学書に囲まれた生活を送ったが、医師にはならずに文系の道を進み知的財産の専門家になった。一橋大学経済学部卒業。現ウォルト・ディズニー・ジャパンでキャラクターのブランディングを担当し、商品化権(著作権や商標権など)に基づくライセンスビジネスに携わる。ディズニー時代に初めて、「知的財産権」という言葉に出合い、その重要性を実感し弁理士になる。その後、外国知的財産サービス会社で大手日本企業(医薬品、化粧品、素材系メーカーなど)の全世界120か国における商標権取得、企業合併に伴う権利移転手続や侵害対応などに携わる。2015年3月事務所開設。大学や各種セミナーで講師も務める。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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