【第16回】GCP-SOPライティング - GCPで必要なSOPと作成技法 -

2024/02/02 臨床(GCP)

今回はSOPの承認と書式、そして本文に付随する項目についてみてみよう。

 SOPに記載すべき項目について、目的、適用範囲、手順、様式等のSOP本文(前半)に記載すべき項目を前回紹介した。今回はSOPの承認と書式、そして本文に付随する項目についてみてみよう。

SOPの点検と承認
 SOPは書き終わったら、読み手によって理解しやすい記述になっているか否かを点検しなければならない。書き上げた後、自分の中に「他者の眼」をもって、理解しやすいかどうかを考えながら精査していくというプロセス、すなわち「点検」が必要だ。
 文書の点検は、いわゆる学術論文の査読のように、知識と経験を有する専門家によって行われる評価という意味合いもあるが、SOPライティングではもっと簡単に考えてもよい。例えば、記載項目や使用するフォントなどについて定められた書き方に従っているか、誤字脱字冗字はないか、SOP内やSOP相互の整合が取れているかなどの視点で、必要に応じてチェックリストを用いて点検することでもよい。
 文書に「承認」というプロセスが必ずしも必要というわけではないが、内容に責任を持って作成することはもちろんであり、それが適切かどうかを承認するというプロセスを設けてもよい。GCP第4条(業務手順書等)では「治験の依頼をしようとする者は・・・手順書を作成しなければならない」と記載されており、SOPを作成する責任は治験依頼者である。一般に「治験依頼者」は企業の社長であったり、社長から委任された臨床開発本部長であったりする。SOPの承認者は社長や本部長でもよいが、必ずしもこれらである必要はない。
 承認者は文書の内容を理解することよりも、文書化のプロセス、すなわち文書を作成し、点検し、修正して最終化されるという作成経緯を理解して承認する。したがって作成者が誰であるかよりも誰の責任で承認されたのか、すなわち発効責任を明確にするのが目的である。医薬品を承認するのは厚生労働大臣であるが、大臣自らが承認申請書や総括報告書を読み込んで理解しているわけではないが、承認の責任は大臣にあるのと同様と考えてよい。

SOPの書式
 SOPのページ設定は、それぞれの治験依頼者の文書規定に従って作成することになるが、基本はMS Wordのデフォルトの設定でよいだろう。しかし、フォントは明朝体よりはゴシック体(MSゴシック、丸ゴシック、Arial等)の方が読み手に取って視認しやすいといわれ、プレゼンテーションなどで多用されている。フォントサイズはMS Wordのデフォルトでは10.5ポイントのようだが、これよりも大きめの11ぐらいの方がよいかもしれない。あるいは、項目の見出しだけ12ぐらいの大き目や太字にして目立たせるという工夫もできる。
 記載する手順が増えるにつれて SOP の内容も複雑になり項目の階層も増えてくる。そうなると、手順の階層深度を端的に分かるようにするために、階層ごとに使う番号を決めておく必要が出てくる。法令では「章、節、条、項、号」の順で項目が箇条書きにされている。各治験依頼者のSOPを見てみると、「第1章、1、1)、①」という番号付けが多いようだが、この他に次のような付け方、あるいはこれらの組み合わせが実際に行われている。
 1、1-1、1-1-1
 1.2.3.
 1)、2)、3)
 ① ② ③
 a) b) c)
 また、行頭を揃える場合と行頭を順次下げていく場合がある。これらはいずれも各企業の文書規定に従うことになるが、SOPに関しては企業の文書規定の範囲外とされている場合もあろう。そのような場合であっても、SOPによって様々な番号付けをするのではなく、SOPとして統一する必要がある。
 

 

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執筆者について

大場 誠一

経歴

株式会社エスアールディ 信頼性保証室 参与
旧GCP施行当時から国内の製薬企業で試験監査室長としてGCPとGLPの監査を担当。その後の欧州系製薬企業では信頼性保証室長としてGCPとGLPの監査の他、GMPとGPMSPの監査に携わる。そして後の米系CRO(開発業務受託機関)ではQA DirectorとしてGCP監査の責任者。現在は国内CROでGCPと臨床研究の監査、さらにGCP教育やSOPライティングの受託業務を専門としている。またGCPに関連した執筆や多くのセミナーでの講演活動、さらにDVDやe-ラーニングを用いたGCP教育に携わるなど、30年以上にわたってGCPに深く関わり続けている。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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