【第1回】GCP-SOPライティング - GCPで必要なSOPと作成技法 -

2022/11/04 臨床(GCP)

このGMP Platformで新たなGCPの連載が始まる。タイトルは「GCP-SOPライティング」である。

はじめに
 このGMP Platformで新たなGCPの連載が始まる。タイトルは「GCP-SOPライティング」、サブタイトルを「GCPで必要なSOPと作成技法」ということにした。筆者は多くの治験依頼者からGCP-SOP の作成を受託している。治験依頼者の業態や規模や組織体制に応じた様々なSOPを様々な要望に応じて作成している。この数多くの経験をもとに、GCP省令で求められているSOPにはどのようなものがあるのか、全ての業務をCRO(開発業務受託機関)に委託する治験依頼者はSOPを作成する必要はないのか、などをGCP省令に基づいて解説を進める。
 医薬品GCPだけではなく、医療機器GCPや再生医療等製品GCPのSOPの作成も受託しているので、これまでの「GCP入門」や「GCP監査入門」と同様に、医薬品の企業主導治験の治験依頼者を主体とするが、時には医師主導治験について、あるいは医療機器GCPや再生医療等製品GCP についても触れていきたい。


GCPのSOPとは
 GCP省令ではSOPを「業務手順書」又は「手順書」と呼んでいる。一方、GMP省令では「手順書」と呼び、GLP省令では「標準操作手順書」と表現している。いずれの省令にもSOPという言葉は出てこないが、Standard Operating Procedureを直訳するならば標準業務手順書あるいは標準操作手順書ということになるのであろう。
 GCP省令の運用については「GCPガイダンス」として通知されており、このGCPガイダンスを見てみると手順書を「治験に係る各々の業務が恒常的に又は均質に、かつ適正に実施されるよう手順を詳細に定めた文書をいう」と定義している(図1)。ICH-GCPではStandard Operating Procedures(SOPs)の定義として「uniformity(均質)」という単語を使っている。ICH-GCPは日本のGCP省令(J-GCP)とは異なり治験に限定せずに臨床試験全般が対象となっているので、日本の臨床試験の規制を見てみよう。臨床研究法(平成29年法律第16号)と「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)では、やはり「恒常的」や「適切、適正」という単語が使われている。
 これらのことからSOP(手順書)とは、業務をいつだれが行っても常に(すなわち、恒常的に)、同じ結果に(すなわち、均質かつ適正に)なることを目的として、作業や進行上の手順を詳細に記述した文書ということになろう。この定義はGCPに限らず、GMPでもGLPでも、もちろん臨床研究等々の我々の業界すべてに共通することである。
 

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執筆者について

大場 誠一

経歴

株式会社エスアールディ 信頼性保証室 参与
旧GCP施行当時から国内の製薬企業で試験監査室長としてGCPとGLPの監査を担当。その後の欧州系製薬企業では信頼性保証室長としてGCPとGLPの監査の他、GMPとGPMSPの監査に携わる。そして後の米系CRO(開発業務受託機関)ではQA DirectorとしてGCP監査の責任者。現在は国内CROでGCPと臨床研究の監査、さらにGCP教育やSOPライティングの受託業務を専門としている。またGCPに関連した執筆や多くのセミナーでの講演活動、さらにDVDやe-ラーニングを用いたGCP教育に携わるなど、30年以上にわたってGCPに深く関わり続けている。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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