はじめまして+製薬業界と品質システムとコンピュータ【第5回】
製薬業界と品質システムとコンピュータ
DIとは?(IT屋が見た、カンタン解説)
お待たせしました。改正GMP省令が施行されて早3ヵ月、皆さんの現場でも、改正されたポイントへ、創意工夫で対応をされていることかと思います。
そんな皆さんの参考になればと、今回と次回の計2回、『DI対応』について解説していきます。データの取り扱い方や考え方、注意点や対応策等々、IT屋の本領発揮・・・となるかどうか、期待せずにご覧ください。
今回は『IT屋から見た、DI対応とは』という内容で、DI対応における“考え方”や“捉え方”について解説します。初心者向けです。
次回はDI対応における“具体的な対策(対応事例)”について解説できればと考えていますので、先ずは入門編として、お付き合いください。
1.DI(Data Integrity)対応ってナニ?
2015年にイギリス医薬品庁(MHRA)からガイダンスが発行された後、国際的にGxP業務のデータ管理/運用において欠かせないものとなった「Data Integrity(以下、DI対応)」。勿論、国際協調の流れの中で改正されたGMP省令においても、第八条第一項に挙げられている手順書や第二章で規定されている記録に対する“信頼性”の確保に対し、“PIC/Sの関連ガイダンス等が参考になる”との指針も出ています。
医薬品製造において必須対応となったといっても過言ではないこの「DI対応」ですが、そもそも何を求められているのでしょうか?
『手順や記録の信頼性』『データのライフサイクルにおける一貫性』『GMP文書の完全性』等々、なんだか解るような解らないような小難しい言葉が使われているので、イマイチ要領を得ない部分もあると思います。
ここは理解を深めるためにも、いつもの(?)“単語の意味”から考えてみましょう。
“Data Integrity”。和訳すると“Data=データ”と“Integrity=高潔、誠実 etc”となります。が、“データの高潔/清廉”というと、ちょっと意味が判り辛いですよね。“データの正直さ”とかみ砕けば意味は通りますが、どうにも当たり前すぎて、『今までと何も変わらないのでは?』となります。そこで、ここで言われる“Integrity”は、その語源であるラテン語のIntegerから、“完全(性)”という意味を採用したいところです。しかもIntegerには“全体の”という意味も持っているため、“データ全体の完全性”という捉え方もできるので、DI対応の意味にも相応しいと思われます。
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