ゼロから学ぶGMP【第8回】

2016/08/04 品質システム

5-6-1-2 製造管理基準書
 製造管理基準書は当該工場内の製造についての基本的ルールを定めたもので、取り扱っている製品すべてに適用される事項について記載されるべきものです。条文は「製造業者等は、製造所ごとに、製品等の保管、製造工程の管理その他必要な事項について記載した製造管理基準書を作成し、これを保管しなければならない。」となっています。その具体的内容については施行規則に記載があります。(表1)

表1 製造管理基準書に記載すべき事項
1 製品等及び資材の製造、保管及び出納に関する事項
2 構造設備の点検整備及び計器の校正に関する事項
3 事故発生時の注意に関する事項
4 作業環境の管理に関する事項
5 工程管理のために必要な管理値に関する事項
6 製造用水の管理に関する事項
7 作業所又は区域への立入り制限に関する事項
8 職員の作業管理に関する事項
9 その他製造管理に必要な事項


5-6-1-3 品質管理基準書
 品質管理基準書は当該工場内の品質管理についての基本的ルールを定めたもので、条文は「検体の採取方法、試験検査結果の判定方法その他必要な事項を記載した品質管理基準書を作成し、これを保管しなければならない。」となっています。その具体的内容については施行規則に記載があります。(表2)

表2 品質管理基準書に記載すべき事項
1 製品等及び資材の試験検査についての検体の採取等に関する事項(採取場所の指定を含む。)
2 採取した検体の試験検査に関する事項
3 試験検査結果の判定等に関する事項
4 市場への出荷可否の決定に供する製品の参考品としての保管に関する事項
5 試験検査に関する設備及び器具の点検整備、計器の校正等に関する事項
6 製造部門から報告された製造管理確認結果の確認に関する事項
7 原薬に係る製品の参考品としての保管に関する事項
8 安定性モニタリングを実施する場合の方法に関する事項
9 試験検査に用いられる標準品及び試薬試液等の品質確保に関する事項
10 再試験検査を必要とする場合の取扱いに関する事項
11 その他品質管理に必要な事項


 検体採取の方法についてはGMP省令(事例集GMP8-16)では「採取する検体は、そのロット又は管理単位を代表するものとなるようにし、採取の対象となる容器の数、対象容器中の採取箇所及び各容器からの採取量に関しては、製品の品質に及ぼすリスクを考慮して採取の方法を定めること。また品質のばらつきの程度、当該供給者が過去に供給した物の品質に係る履歴並びに適正な試験検査に必要な量も考慮すべきである。」と記載されています。PIC/Sも米国のcGMPも原料や包材の受入れ試験に関する検体採取についてはほぼ同様の記載です。
 cGMPではCFR Part 211.84(原料、容器および施栓系の試験及び受入れ承認の可否)には、そのロットを代表するサンプルを採取する容器数は以下の基準に従うようになっています。
  1. 原薬の変動性に基づく統計的基準や信頼レベル
  2. 必要な精度
  3. 供給業者の品質履歴
 一方、PIC/SではAnnex8(原料及び包材のサンプリング)に記載されています。受入れ試験を行うサンプル数については統計的によるものとされており、GMP省令やcGMPの記載と特に異なる点はありませんが、容器間の同一性については以下の記載があることに注意する必要があります。すなわち「出発原料の完全なバッチの同一性は、通常個々にサンプルを全ての容器から採取し、確認試験が各サンプルについて実施された場合にのみ保証される。複数の容器のある部分のみのサンプル採取を行うことは、出発原料の容器の内、1つも不適正にラベル表示されていないことを保証できる、バリデ-ション済の手順が確立されている場合には許される」とあり、文章後半の条件が満たされない限り、同一ロットの原料を複数の容器で受け入れる場合には全容器からサンプルを採取し、確認試験を実施することを求めています。

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執筆者について

上田 泰生

経歴 1974年ミドリ十字入社、中央研究所配属。製剤研究部長、中央研究所業務部長を歴任。旧吉富製薬と合併後、信頼性保証部長としてGXP全般の監査を担当。その後2回の合併(三菱ウェルファーマ、田辺三菱製薬)を経る中で薬事監査部、品質保証部、薬制管理部を経験。2008年ニプロファーマ入社、本社品質保証部、城北工場品質保証部長を歴任。2013年退社。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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