GMP適合性調査における6つのサブシステム【第4回】

2019/08/16 品質システム

"前回に続き、「管理監督システム(品質システム)の確認事項」につき、確認事項毎に、GMP省令でどのように規定されているかを紹介し、ポイントを解説する 。

1-10:GMP教育訓練
 新人の教育訓練、定期の教育訓練のみならず、変更や逸脱に伴う、教育訓練を、品質リスクマネジメントの観点から、教育すべき事項を抽出し、有効な教育訓練を実施する。

1-11:製造販売業者との合意事項の遵守
 製造販売業者との取決め(GQP取決め)は、GQP省令及び製造販売承認内容に基づいて行われるものである。「変更管理」における事前連絡、「逸脱管理」における報告義務等の遵守は重要であり、それぞれ、文書によるものでなければならない。

1-12:品質方針
 ICH-Q10(品質システム)の品質マニュアルの中で、顧客の健康と安全を守るため、提供する医薬品の品質を向上させるとともに、安定供給を確実にするために、「品質方針」を定めることを求めている。「品質方針」の記載例を紹介する。
〇〇製薬株式会社は、顧客に安全で高品質の医薬品をお届けするため、法令を遵守し、医薬品品質システムを継続的に改善します。

1-13:品質マネジメント構築文書    
 品質マネジメントを構築するために必要な文書とは、製造管理基準書、品質管理基準書、衛生管理基準書のいわゆる三大基準書の他に、以下の手順書を作成することが求められている。これらの手順書類に基づき、製造管理・品質管理を達成することで、製品品質を確保することを宣言するものである。
 
▼    製品標準書
▼    製造所からの出荷の管理手順書
▼    変更管理手順書
▼    逸脱管理手順書
▼    品質等に関する情報及び品質不良等の処理手順書
▼    回収処理手順書
▼    自己点検手順書
▼    教育訓練手順書
▼    文書及び記録管理手順書
▼    バリデーション手順書
  
1-14:製品品質の照査
 「製品品質照査」については、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知  薬食監麻発0830第1号(平成25年8月30日)で規定されており、その目的は、以下の通りである。
第2 製造・品質管理業務についてGMP省令第5条に規定する製造・品質管理業務は、製品品質の照査を含むこと。製品品質の照査は、定期的又は随時、製品品質に関する結果・状況等を照査・分析することにより、製品が適切に管理された状態で製造されているか、又は改善の余地があるか確認するために実施するものであること。
"

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執筆者について

新井 一彦

経歴 C&J 代表
化学系企業にてバイオテクノロジーを利用した医薬品の探索、開発研究に従事。その後、開発医薬品(無菌製剤)の製造工場立上げに製造管理者として関わりGMP組織体制、基本構想を構築した。
平成17年の改正薬事法完全施行に合わせ、新たに製造販売業を取得するため某ジェネリックメーカーの設立に関与。取締役信頼性保証本部長として総括製造販売責任者の責務を担った。
現在、C&J 代表として、講演、執筆、国内外のGMPコンサル業務活動を推進。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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