【第22回】デジタルヘルスで切り拓く未来

2025/03/21 医療機器

デジタルヘルスとエコシステム

「デジタルヘルスとエコシステム」


●要旨
 エコシステムへの関心が高まっており、その仕組みや価値に目を向ける必要があります。国内の研究開発や事業化連携拠点等の広域連携は、社会実装やレジリエンスの素地につながります。デジタルヘルスは、社会の変化とも相まって、従来のヘルスケア製品よりもボーダレスが進むことでしょう。グローバルに進めるにはエコシステムの考慮はとても大事です。さらに政策的にスタートアップ支援が行われている中、早くて伸びの良い、広がりのある展開を作るのもエコシステムのポテンシャルです。

●はじめに エコシステムへの関心
 最近のイノベーション系シンポジウムでは、エコシステムをテーマにしていることがあります。エコシステムについていろんな方にインタビューすると、地球環境への配慮のお答えもあれば、開発からビジネス環境のお答えもあります。シンポジウムはある種のコミュニケーションですから、これからの方向性を考える機会です。エコシステムの方向性だけでなくそのものに多くの人が関心を持つことが良さそうです。
 一昔前の研究開発では、「選択と集中」を強いられ、枝葉を落とすように求められることが多くありました。確かに公的な資金は、指定された範囲で適正な利用が必要ですから、枝葉に使うことは良くありません。しかし、有望な種ができそうな枝も全部切り落とさざるを得ず、筆者も悲しい思いをしたことが何度かありました。しかし、切り落とした枝を別の土壌に植えて育てる心意気のある人に少し救われたことがあります。


<図表> エコシステムの持つ広がり

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執筆者について

吉川 典子

経歴 特定非営利活動法人医工連携推進機構 客員研究員 医工連携コーディネータ協議会会員
大阪大学大学院薬学研究科博士前期課程にて生物学的人工肝臓をテーマに研究を行った後、製薬会社に入社し、開発企画実務を経験。兵庫県庁薬務課を皮切りに、保健衛生行政に携わる。政策研究などの経験も多い。医療機器センター調査部(PMDAの前身)にて、審査行政に関与。先端医療振興財団にて、振興業務に従事。神戸大学大学院医学研究科にて、プロジェクト支援を行った。また、各地の振興組織、大学研究機関での支援を長年行っており、医療従事者の目線を活かしたコラボ、参入促進や新規性の高い医療技術への支援に強みがある。
デザインに強い関心があり、京都造形芸術大学に在学中。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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