基礎からのGPSP【第23回】

2024/12/20 その他

引き続き製造販売後調査等業務の自己点検について。

~製造販売後調査等業務の自己点②~

5.改善の要否を確認すべき事項
再審査信頼性調査時に指摘された改善すべき事項(指摘事項)について、PMDAは様々な機会をとらえて、公表、解説している。ここでは、GPSPに特に関連する指摘事項と、その改善のポイントについて確認・検討してみたい。
5.1  薬機法に基づく指摘事項
PMDAの主な指摘事項は、GPSP体制に関するものというより、再審査資料の不備に関するものが多くなっている。最近の事例(令和5年度集計報告より:令和6年1月19日公開)で薬機法施行規則第61条(再審査申請資料の信頼性の基準)に従って収集され、かつ、作成された資料を提出すべきであったとされた使用成績調査に関する指摘は以下のとおりである。
  • 手順または仕様書(再調査基準等)が適切に規定されていなかったことから、再解析が必要になった。
  • データマネジメント及び統計解析に多数の不備が認められた。
  • コーディングが適切に行われていなかった。
  • 再調査基準に基づき再調査が適切に行われていなかった。
  • 最新版の試験・調査報告書に基づき、再審査資料が作成されていなかった。
  • 別紙様式16において、合併症の定義が適切に規定されていなかった。

収集された情報の、最終的な処理の取扱いが適切にできていないことや、処理基準の設定の不備が指摘されている。
また、PMDAはこの不備の削減に向けての対応として以下の必要性を述べています。

  • 不備発⽣を防ぐために実施計画書の⽴案・作成段階から検討⼯夫すること。
  • 通知の内容を理解した上で、仕様書等を作成すること。
  • 再審査資料に対する適切なQCを再審査申請前に徹底して⾏うこと。

 

 

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執筆者について

草間 承吉

経歴 医薬品、医療機器、医薬部外品等の開発から製造販売後までの安全確保業務を黎明期から30年以上にわたり幅広く経験・管理・監督してきた。この間、業界活動においては製薬協PMS部会や東薬工医薬品安全性研究会、日薬連安全性委員会等でDSUやPMS担当者研修講座の設立等にも関与した。これらの経験を生かし15年前にPMSフォーラムを設立し、製薬企業等からの業務相談に対応しながら、指導・教育に努めている。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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