【第18回】デジタルヘルスで切り拓く未来

2024/11/22 医療機器

身近になるデジタルツイン。

「身近になるデジタルツイン」


●要旨
 デジタルツインという言葉が身近になりました。健康に関するデジタルツインについても具体化しつつあります。デジタルヘルスが日常のものとなる中で、メタバース空間に構築されるあなたのデジタルツインについて考えてみます。プレシジョンメディスンの実現にはデジタルツインが背景にありますが、私たちの心の動きや社会とのコミュニケーションも大切です。また、どのような形でデジタルツインが表されるかによる影響がありそうです。しっかり注目していきましょう。

●はじめに デジタルツイン?クローン?
 デジタルツインという言葉を聞くようになりました。まちづくりやインフラの管理などの分野でよく使われています。管理や計画など様々な活用方法があることがわかります。健康情報に関してもデジタルツインの話が聞こえています。私たちの健康情報はデジタルで表され、情報の統合が可能です。それをサイバー空間(メタバース)の中で再現することをデジタルツインとしています。
 過去に大変に関心を集めたものにクローンがあります。クローン人間の倫理性は大変な問題です。遅れてきた双子のようなものという表現をした方がありましたが、現実空間に存在することを前提にしています。一方、デジタルツインは、触れることができない仮想空間に構築されます。あなたのデジタルツインはどうでしょうか。

<図表> あなたというデジタルツイン

1 ヒューマンメタバースという視点
 たくさんのデータを集めて終わりという時代ではありません。しかし、データを集めていくと、また新たなことが見えてきます。そこには、データの取り扱いが極めて効率化し、取り扱えるボリュームも大きくなったことが貢献しています。記録媒体がペラペラの円盤だった頃から見ると、小さなスティックに大変な容量のデータを収めるのは奇跡に見えます。雲・クラウドの中に保存しておくことも日常です。大容量のデータを処理する技術が発達し、さらに活用する機能も発展し、今では、「みんなのためのデータ」から、「あなたのためのデータ」という視点に変化しています。
 大阪大学のヒューマンメタバース疾患研究拠点では、蓄積したデータから、あなたの健康に関する情報を取り出すこと、その未来を予想することなど、利活用についての探索を進めています。デジタルツインとして、現在、過去そして未来のあなたの肖像画が描かれると考えればわかりやすいかもしれません。 疾病とライフサイエンスにフォーカスした形で「大規模疾患モデル」が構築されている拠点です。 
 デジタルヘルスの中で大きな期待が寄せられているプレシジョンメディスンにおいては、特定の個人についての情報が必須です。なんらかのデジタルツインが構築され、予防や治療に関する検討と実施が行われます。

 

 

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執筆者について

吉川 典子

経歴 特定非営利活動法人医工連携推進機構 客員研究員 医工連携コーディネータ協議会会員
大阪大学大学院薬学研究科博士前期課程にて生物学的人工肝臓をテーマに研究を行った後、製薬会社に入社し、開発企画実務を経験。兵庫県庁薬務課を皮切りに、保健衛生行政に携わる。政策研究などの経験も多い。医療機器センター調査部(PMDAの前身)にて、審査行政に関与。先端医療振興財団にて、振興業務に従事。神戸大学大学院医学研究科にて、プロジェクト支援を行った。また、各地の振興組織、大学研究機関での支援を長年行っており、医療従事者の目線を活かしたコラボ、参入促進や新規性の高い医療技術への支援に強みがある。
デザインに強い関心があり、京都造形芸術大学に在学中。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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