【第1回】米国横断ドライブ旅行記2024
はじめに
本年3月にシオノギファーマ株式会社を退職した後、5月末からちょうど1か月間かけて「自らの運転による車での米国横断旅行」を愚妻とともに計画、実行、成功いたしましたのでその経過について、約10回の予定で連載執筆をさせていただきます。下記に横断達成時の写真を添付します。
6月末に帰国後、複数の会社からの依頼により、GMPや行政査察に関する講演の後、この旅行記のプレゼンも実施しましたが、どちらかというとGMPよりも旅行記の方が質問等も多く好評でした。もちろん、プライベートでも私の母親、兄弟並びに家内の家族も含め、詳細報告済であり、このたびGMP Platformの読者の皆さんにもお伝えすることになりました。
1.旅行と執筆のきっかけ
ちょっと時代を遡りますが、武州製薬(株)代表取締役社長ならびに日本CMO協会の会長として、「医薬品委受託製造に関する四方山話」を執筆し、GMP Platformに投稿させていただいた2013年から、早や11年が経ちました。その間、筆者は2016年に富士製薬工業株式会社にてジェネリック医薬品の製造を、2022年からはシオノギファーマ株式会社にて自社開発医薬品製造などの生産担当責任者等を務めてきましたが、いずれの会社でも自社品にプラスして他社からの受託製造を行い、「適正な価格で」、「高品質」な医薬品を「安定的に供給する」という医薬品産業の使命に対し、不断の努力をしてきました。具体的にはトップラインを上げるために日本市場のみならずグローバル市場対応を、自社品のみならず受託製造を、製品規格適合のみならず工程の造りこみによるプロセス堅牢化、Quality Culture醸成、データインテグリティによる製品保証などです。
1985年に塩野義製薬に入社して以来39年間、ひたむきに医薬品の製造回りの仕事をさせていただいて、この業界に少なからず貢献できたこと、またその過程で自分が成長できたこと、付随して国内のみならずグローバルに行動し、多くの友好関係をつくることができました。これからは、体力が続く範囲で業界への恩返しの局面に入ると考えておりますが、その前に必ず実行しておきたいこと、「夢」のようなものが在職中も心の中にずっとくすぶっていました。それが今回計画、実行した「アメリカ大陸のドライブ横断」です。いつの頃からそのようなことを考えるようになったかですが、それは間違いなく、1997年から1999年の米国、New Jersey州滞在、Schering-Plough社での社外研修経験が発端だったとおもいます。この2年間の駐在経験ならびに帰国後のグローバル対応プロジェクト関連の米国出張や、プライベートでの欧米旅行を重ねる中で、「いつか時間できれば、この広大な米国大陸を自力運転による横断を」とおもうようになりました。在職中は各会社での業務の関係でこの計画を実行できる時間が全くとれなかったこと、体力には自信があったので退職してからでもいいやと考えてきたことから、本当にそうなってしまいました。本年64歳になる我が身の状況を考えたとき、特に昨年7月に発症した顔面の帯状疱疹(1年たった今でも顔の右上1/4が痛く痒い状態です)で体力に自信がなくなってきたことも踏まえ、そろそろ実行しないと長年の夢が実現できなくなるかもしれないと思うようにもなり、退路を断つこと(退職)を決断し、この計画を社内等で自ら公言もしました。
明らかに全くのプライベートな話であり、医薬品製造やGMPとは基本的に無関係なので、このサイトへの投稿はふさわしくないのかもしれませんが、誰もができることでもないし、GMP Platformさんの後押しもあり、この業界で、今必死で汗をかいている方々の何らかのお役に立つようなこともあるかもしれないと考え、この旅行記を仕上げることになりました。気軽にお付き合いいただければ幸いです。
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