エッセイ:エイジング話【第66回】

RMMをWFI測定2

 RMMをWFI測定として採用するとき、感度と誤差を押さる必要があります。なにしろ、無菌レベルの水であるWFIは製造できても、直後から汚染されるを現場で痛感しており測定装置内において内在する汚染による誤差を把握する必要がありました。
一般に、滅菌操作直後は維持されるとしても系内全体を無菌維持するのは、地球上では永遠に困難な命題なのです。ここに、細やかな視点を持つエンジニアーが係わるポイントがあると思います。
 薬局方に収載される6つの製薬用水の内で、注射用水(容器入り)滅菌精製水この2つは、一般試験法<4.06>無菌試験適合が求められます。これとて、無菌試験適合状態を維持するため密封状態を保持することが要件です。現実には、無菌試験適合が維持される時間軸を定めます。
 これは加工食品へ表示が求められる消費期限とは一線を画する管理ですが、密封容器に入れた滅菌精製水は開封すると瞬時に汚染に曝されます。特に、治験薬製造用として滅菌精製水を使うときは厳密な開封手順が必要な要件です。
 話は少し飛びますが、院内製剤を行う病院から開封手順について相談を受けたことがあります。実施する院内製剤操作を一から現状把握し、結果としては注射用水(容器入り)を購入保管し使うのではなく、蒸留器を病院内へ導入しようとの結論に至りました。
 さて、無菌試験は予め検体中に存在が判明する特定微生物を試験することですから、「偶々検出されなかったに過ぎない」ここが正確な認識になります。例えば「細菌がコロニーを形成する」に適した培養条件だとすると、「真菌は検出できない」ここも押さえる大事なポイントです。
 また滅菌器に於いては、開けた瞬間から無菌維持はできません。よって、WFIは一旦製造できるが直ちに汚染されるを認識し使用点へ送る覚悟が要ります。ここは、超純水サンプルを分析する際の操作とも共通課題だと実感します。
 さて、製薬用水へ採用経験があるRMM測定器メーカーへ依頼し、超純水が連続流出する試験室内にRMMを設置しました。

 

 

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