GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第80回】

供給者管理

1.原料の品質
 GMP省令が改正され、供給者管理が求められたと理解した方も多い。原薬はGQP省令で求められており、製造販売業者が確認する。原薬以外の原料、添加物は、製剤製造業者が受入試験し、原薬と同じく、品質確認を行っている。ただし、契約は結んでいても、製造販売業者が原薬製造業者と取決めをし、監査を行っているが、原料、添加物製造業者と取決めや監査を行っていないことが多い。しかし、品質としてリスクがあるならば、製造販売業者としても、原料、添加物製造業者に対して、取決めを実施が求められている。GQP事例集に記載がある。

Q7―01
〔問〕製造業者等と取決めを行わなければならないとあるが、GQP省令の要件としては、市場へ出荷されるもの(いわゆる最終製品)を製造する業者との取決めを求めているのか。また、製造業者等の等には、原薬の製造及び保管業者を含むすべての製造業者も含むのか。
〔答〕取決めを実施する製造業者等とは、最終製品を製造する製造業者だけではなく、製造業者、外国製造業者、試験検査業務を行う者、設計管理を行う施設(医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第169号)第4条第1項の規定に基づく設計管理医療機器に限る。)等製造販売承認書の製造方法欄に記載された者と取決めを行うことを許可要件として求めている。その他の者との取決めの有無については、品質管理のために管理監督を行う必要性を考慮したうえで、製造販売業者として適切に判断すること。
Q10-01
〔問〕第1項第1号に「当該製造業者等における製造管理及び品質管理が、法第14条第2項第4号及び第18条第2項の規定に基づき厚生労働省令で定める基準及び事項並びに第7条に規定する取決めに基づき適正かつ円滑に実施されていることを定期的に確認し、その結果に関する記録を作成すること。」とあるが、ここで示された「製造管理及び品質管理」とはGMP省令のことか。
〔答〕GMP省令及びGQP省令第7条の取決め事項に係る製造管理及び品質管理を指している。GMPが適用されていない医薬品も対象となっており、その場合は、取決めに基づき適切に製造管理及び品質管理が行われていることを確認すること。


 製剤製造業者は、非GMP管理の製造業者に対する供給者管理について、悩まれていることだろう。非GMP管理にGMP管理を求めても拒否される。その原料が製剤医薬品の品質に影響する点を示し、製造販売業者や製剤製造業者がその原料に求める品質に合致していることを確認したい旨を伝えることで、非GMP管理の原料製造業者の対応を求めるしかない。製造環境で異物が混入し、製剤医薬品が汚染することも考えられる。そのために、原料製造所の製造場所やその原料の品質も確認する必要があろう。その確認によりリスクがないことを検証できれば、供給者管理としての頻度は少なくなるであろう。そのために、供給者である製造者のリスクがないことを確認しなければならない。

 

 

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