知的財産の基本から知財ミックスまで【第18回】

2023/12/15 その他

意匠登録出願の流れについて。

 

意匠登録出願の流れ

 こんにちは、弁理士法人ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

 意匠も、特許や商標と同様に、特許庁に出願書類を提出し、審査を受けて登録されることにより初めて権利(意匠権)が発生します。審査は、これまでご説明した新規性等の要件を満たしているかどうかについて判断されます。

 今回は、意匠登録出願の流れについて説明します。まずは、次の意匠審査の流れ図をご覧ください。

引用:特許庁ウエブサイト

 この図に示すように、意匠登録出願は、基本的に願書に図面を添付して申請します。願書には「意匠に係る物品」を記載する必要があります。図面は物品のデザインを特定するためのもので、原則として六面図を提出します。六面図は、正投影図法により各図同一縮尺で作成した「正面図」、「背面図」、「左側面図」、「右側面図」、「平面図」及び「底面図」からなる一組の図をいいます。
 図面以外でも、写真やCGで物品のデザインを特定することもできます。意匠はデザインなので、願書に添付する図面や写真等が非常に重要なものとなります。この点、文章で発明の内容を特定する特許とは大きく異なります。

 意匠出願は原則として一物品につき一つの意匠ごとにする必要があります。複数の物品に関し、統一的なデザインを開発した場合であっても、それぞれの物品毎に、意匠出願をしなければなりません。一意匠一出願でないと判断された場合は登録されません。
 

 

 

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執筆者について

鈴木 徳子

経歴

ブランシェ国際知的財産事務所 共同代表弁理士。
代々医師の家系に生まれ医学書に囲まれた生活を送ったが、医師にはならずに文系の道を進み知的財産の専門家になった。一橋大学経済学部卒業。現ウォルト・ディズニー・ジャパンでキャラクターのブランディングを担当し、商品化権(著作権や商標権など)に基づくライセンスビジネスに携わる。ディズニー時代に初めて、「知的財産権」という言葉に出合い、その重要性を実感し弁理士になる。その後、外国知的財産サービス会社で大手日本企業(医薬品、化粧品、素材系メーカーなど)の全世界120か国における商標権取得、企業合併に伴う権利移転手続や侵害対応などに携わる。2015年3月事務所開設。大学や各種セミナーで講師も務める。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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