再生医療等製品の品質保証についての雑感【第56回】

今回も生産計画におけるキャンペーンと製造管理の相関について雑感を述べる。
第56回:生産計画におけるキャンペーンの考え方と製造環境の維持管理 (2)
はじめに
細胞加工製品製造では、製造環境(従来のグレードA区域を擁する無菌操作環境)を占有する運用によって製造コストを低減することは難しいです。そのため現状では、製造環境をバッチでキャンペーン単位都市運用する考え方が採用されることが多いですが、前回お話した通り、製造環境管理の視点では、製造工程実施【製造管理】と清掃工程実施【衛生管理】の役割や管理手順において、煩雑な環境維持の考え方となっていると考えます。(作業ごとに分解すれば、従来の「構築⇒作業⇒解体」の環境運用手順となるかもしれませんが、実際の製造所における無菌操作環境は継続的な運用であることが多いと認識します。)
製造環境の管理は、単一バッチによる占有あるいは複数バッチによる共有に関わらず、無菌操作環境の維持管理(清浄化)の考え方は同じであると想定します。
● チェンジオーバーガイドライン議論より生じる考え方のポイント
本コラムの第17回(構造設備設計 (3))などでご紹介した、経済産業省/AMEDの開発ガイドライン「再生医療等製品(遺伝子治療用製品を除く)の製造におけるチェンジオーバーに関するガイドライン2019(手引き)」では、当時の作成委員会でも様々な意見がありました。表1の『工程終了時における無菌操作環境の継続可能性の考え方』は、今でも十分に真意が伝わっていないのではと感じるほど、運用設計における煩雑な選択肢(可能性)を含んでいると認識します。本ガイドラインは、チェンジオーバー(工程切り替え)に関するガイドラインとなっていますが、チェンジオーバー可否は単なる結果であり、その主旨は環境評価とその維持操作技術を理解するための考え方です。
開発ガイドライン文章案にて筆者らが作成した、下図、「図1」の環境管理フローは、現状では、かなり難易度の高い運用設計を提案しました。

本図のポイントは主に2点で、1つは、フロー後半の、全工程終了時の状態を理解し、環境が維持可能であることを確認すると同時に、原状回復が可能な維持手順を実施することで、もう1つ(こちらが本命)は、前半の環境が無菌性(無菌操作環境)を継続している状態か否かを評価することです。
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