ゼロベースからの化粧品の品質管理【第38回】

前回に引き続き材料トラブルをどのように低減していくのかについて。
―『材料トラブルをどのように低減していくのか:表示ミス低減』について―
化粧品GMPに関して、実際の運用面から留意事項についてお話させて頂いています。今回は、材料トラブルの中で市場回収につながる表示ミスに関して、法的要求事項の整理とリスクアセスメントの視点から事故低減をどのように進めたらよいかお話させて頂きます。
これは私見になりますが、表示に関する市場回収事故の事例が多い状況にも係わらずGMP体制の監査や民間認証の審査の際には、表示に関する管理体制に対する確認はあまり行われていないように感じています。品質保証の体制を整える上では、①法的要求事項に即していることの確認 ②市場回収事故につながる事項に対する体制の確認 が重要です。その意味では、表示に関する管理体制について、審査や監査ではもっと踏み込んで行うべきであると考えます。
それでは、まず法的要求の概要から再確認したいと思います。
化粧品及び医薬部外品の化粧品の表示については、
その他には、『消防法』や『化粧品の適正包装規則』、『PL法』の要求事項にも対応が必要です。尚、これらについては既にご案内しているため、今回は省略させて頂きます。
<化粧品の必要表示(例)>
<医薬部外品の<化粧品の必要表示(例)>
化粧品や医薬部外品の表示は、一般的な必要表示と法的要求の根拠に上記の通りとなります。チェックリストとして自社製品について見てみて下さい。
更に、最近はエコの概念が浸透しており問題は少なくなっていますが、海外の製品を輸入する際には、『適正包装規則』していることの確認が必要です。
化粧品の表示に関して公正競争規約第11条の規定(過大包装の禁止)に基づき、化粧品の適性包装規則が定められています。
外容積に対する内容物体制の割合は40%を下ってはならない。但し、内容量が40g以下で、ガラス容器および成型技術上二重成型が必要なプラスチック容器は除く。
また、容器の形態上肉厚となることがやむをえないもの(事例に該当する形状のもの)や香水、オーデコロンで特殊なデザインのもの、メーキャップ化粧品類、30g又は30mL以下の小型化粧品は除外されます。
直接容器と外部容器の間に不必要な空間がないこと。緩衝材が必要な場合は段ボールの厚みが4mm以下、若しくは公正取引協議会が認めたもの。但し、香水、オーデコロン類、メーキャップ化粧品類は除く。
詰合せ容器の内壁から化粧品まで及び化粧品と化粧品との間隔は、その最も近接する部分において上下、左右にそれぞれ1.5cm以下、深さは化粧品の上部及び下部と詰合せ容器との間隔がそれぞれ0.5センチメートル以下又はその合計が1センチメートル以下(ガラス製の破損し易い容器で直接詰合せる場合の深さは化粧品の上部及び下部と詰合せ容器との間隔がそれぞれ0.8センチメートル以下又はその合計が1.5センチメートル以下)。
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