GMP Platform PIC/S解説シリーズ:PIC/S GMPガイドPart I(3)

2012/05/14 製造(GMDP)

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PDFファイル『PE 009-9 (Part I) PIC/S GMP GUIDE (PART I: BASIC REQUIREMENTS FOR MEDICINAL PRODUCTS) 2009-09-01』
 
※解説・翻訳のみを参考とするのではなく、必ず原文のご確認をお願い致します。
 
 
【解説】
 医薬品の品質は、製造プロセスに依存し、製造プロセスは、「製法・設備・原料・作業者」を指定することによって、定義することができる。すなわち、適格な製法と原料を用い、適格な設備で、適格な作業者が製造を担当すれば、目的とする品質の医薬品を製造することができる。これら四つの構成要素のうち、もっともその適格性評価が難しいのが作業者である。教育訓練記録とか作業者の経験など、あいまいな評価基準に頼らざるを得ないからである。他の三つの要素の適格性は客観的あるいは科学的に評価あるいは保証することはできるが、作業者の適格性は、評価に客観性が乏しい。人間がミスを犯す生き物であるかぎり、常に一定の能力を発揮することを保証することは不可能である。従って、ヒトが関与する重要な作業は、少なくともダブルチェックにするなど、GMPの基本的要件ある「ヒトが犯すミスに対するリスクを最小限にする」ための工夫が不可欠になる。
 
 医薬品の品質は作業者の質に大きく依存し、そのため人的資源の確保および継続的な教育訓練が経営者のもっとも重要な役割の一つとされている。学校教育の例を見ても明らかなように、教育の成果を数値化することは非常に難しいが、医薬品の品質を向上させるためには、どのようなヒトが必要か、どのように教育訓練して人材を育てるか、それぞれの企業の創意工夫が必要である。
 

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執筆者について

中尾 明夫

経歴

株式会社シーエムプラス フェロー。
GMP Platform責任者。
1976年田辺製薬(株)入社。有機合成化学研究、プロセス化学(工業化)研究に従事後、品質保証部長、取締役生産本部長、常務取締役経営企画部長を歴任、合併後、田辺三菱製薬(株)常務執行役員製薬本部長。
FDA査察対応やPDA活動を通じ、「GMPはサイエンス」と確信。GMP教育の洗練化を目指す(株)シーエムプラスの企業理念に共感し、2011年(株)シーエムプラスに入社、2012年5月取締役副社長就任。2018年4月より現職。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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