【第27回】Operational Excellence 実行の勘どころ 、Improve改善フェーズで何するの?(その2)

リーン改善ツールについて紹介する。
図書館や大きめの本屋に行くと業務改善、問題解決に関する図書は数多く出版されています。手に取って自分の合うものを選ぶのが良いですが、図解で分かり易い図書がありましたので紹介します。
「マッキンゼー流 入社1年目 問題解決の教科書(2017). 大島祥誉著. SBクリエイティブ株式会社」 (本体1200円)です。
図解版が分かり易いです。図・イラストが多く、手元に置いて改善活動を行うときに参考になります。「入社1年目」とあるので新入社員向けのようですが、そうではありません。「マッキンゼーに入社した1年目の社員が学ぶ内容」なので、一般企業の新卒(新入社員)ではなく、中堅の改善リーダー向けです。問題解決のフレームワーク、ロジカルシンキングのノウハウが簡潔に紹介されていて、いろいろな分野で活用できる内容です。
私は過去にマッキンゼーコンサルタントの方と一緒に、某企業(医療機器・医薬品企業)でかなりガッツリとプロジェクトに取り組んだことがあります。後日この本を手にして、そのとき使用した問題解決のフレームワーク、ロジカルシンキング、実施内容やツールの多くは、この本に掲載されている内容と同じでした。
改善プロジェクト実行の基本、問題解決のアイデアを探すときに有効な一冊として推薦します。私は机に置いて、アイデアが欲しい時にパラパラと見ています。
【 LEANツール、ポイント 】
LEAN(リーン)ツールの多くは、日本の製造業で開発されTPS(トヨタプロダクションシステム)の中に組み込まれているものです。日本ではトヨタ手法と呼んだ方が一般的で、海を渡りLEAN手法、LEANツールと呼ばれています。製造工程のムリ・ムラ・ムダを削減する、業務プロセス・業務フローの標準化と効率化が基本です。
日本の製造業の場合、生産性向上を目的に、LEANツールのいくつかは既に現場で採用されています。それらが正しく有効に使われているかどうかは、現場に行き確認してみると良いでしょう。有効であれば継続する、何か不具合が感じられれば立ち止まって考えてみることが大切でしょう。この部分には改善のチャンスが隠れていたりします。型替えプロセスや資材・在庫補充、部署間連携、最新の手順書(SOP)通りかどうかなど、細かく調べていくと、いくつか改善ポイントが発見できた経験があります。
チェックすべきポイントは3つです。
- 導入したトヨタ手法、LEANツールが正しく使われているか、現場で100%使いこなしているか
- 導入した手法、ツールは、業務の変化に合わせて常にブラッシュアップされているか
- その業務の担当者は、導入した手法、ツールの目的と意味をしっかりと理解しているかどうか
私たちは新しいシステムやツールを導入し、そこで成功すると満足してしまいます。次のステップに進むこと、継続的改善を怠る傾向があります。現場メンバーにそれを指摘すると、自分達のこれまでのやり方を否定されたのではと反発されることもあります。でも実際には、直ぐに改善できるかどうかは別にして、改善のチャンスはいろいろあるものです。確認してみることをお勧めします。
分析フェーズで特定された真因を中心に、現場プロセスを再度点検することです。問題意識を持ち現場に行くと、業務フローの見え方や気づきが違います。<図27-1>は極端な例ですが、「働いている人」にフォーカスするのではなく、「生産やサービスを生み出す生産プロセス」を見てみましょう。その上での効率化です。

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