Operational Excellence 実行の勘どころ マスターブラックベルトが語る本音の話 【第3回】

【第3回】企業変革、スタート時の難しさ (Why 何故やるの?) その2。
企業変革、スタート時の難しさ (Why 何故やるの?) その2
会社の大きな方針が決まったころで、具体的な展開プランを策定し合意形成する部分です。部門長、マネージャー(課長)、実務担当者とそれぞれ議論しますが、スムーズに話が進むことは稀です。「方向性は理解するが、実務があるので、うーん、難しいなあ」と消極的な声が出てきます。
私は外資系に長いので、この段階でNOということは、自らの職務を放棄するのと同じです。マネジメントがGOをかけた案件を、いかに実現するかが私の職務だからです。はっきりとYES/NOを言わないのでそのまま進めてしまい、、あとで実はNOでした、できませんという場面がありました。YES/NOをはっきり言わない日本的なカルチャーが裏目に出ました。外人から英語で質問されると、YESと言いますが、あれは部分的YESだったり、英語でロジカルに反論できないので笑顔でうなずいたりしますが、後で日本人同士の会話になったとたん、反論が飛び出します。それなら外人の前ではっきりNO、または少し考えてから回答します、と言うべきと思いますが、そこは日本的カルチャーです。
一方でNOとは言わせない雰囲気を作っている自分、にある時気づきました。優しいことばで説明していますが、目つきと雰囲気が相手にNOと言わせない、無言の圧力をかけていたのです。アラフィフ以上の方、気を付けましょう。
建築設計や設備導入プロジェクト、大規模プロジェクトの場合、専任のプロジェクトマネジャーがアサインされます。その上で、最終期日、予算、個々のスケジュールを確定させてからプロジェクトがスタートしますので、関係者はこれに従います。プロマネが引いたスケジュールを元に、自分のスケジュールや日々の業務を調整します。建物工事や設備導入は、物理的に待ったなしの状態なので、皆が協力的です。
しかしながら、企業変革プロジェクト(部門内で運営されるものを含めて)はゴールと期日が途中で動きます。あと1か月延ばせば、予定以上の効果が出ますとか、緊急案件が入ったので 2週間遅れますなどの話はよくあります。多くの部門変革プロジェクトは、リーダーとメンバーが通常業務と兼任、スケジュールもできる範囲でと暗黙了解でスタートする場合が多いです。スタートから遅れまでの許容範囲みたいな話はしていません。通常業務優先なので、予定はなんとなくリスケされ、期日を超えても誰も何も言わない、責任はない。目に見える実害はないので、どんどん先送りされる。皆さんの企業でもこのような経験はないでしょうか。ここが兼務で行う変革プロジェクトの難しいところです。
私は企業変革推進の責任者、専任なので逃れようがなく、マネジメントレビューなどで、月次進捗報告をしなければなりません。少し愚痴っぽく聞こえますが、これが実態です。「企業変革は全社一丸となって、、、」は理想です。この点が難しい部分です。
故に、Why 何故、変革プロジェクトをするのか、はじめに確認し、皆に納得してもらうことが大切なのです。説明したつもりでも、担当者は納得していない、納得度は直ぐにプロジェクトの進捗や結果に表れます。
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