Operational Excellence 実行の勘どころ マスターブラックベルトが語る本音の話 【第2回】

2022/02/10 品質システム

【第2回】スタート時の勘どころ、について紹介します。

企業変革、スタート時の難しさ (Why 何故やるの?) その1

 企業変革をスタートさせるといっても通常業務とは異なり、推進側とするとそれなりに大変です。会社は年度ごとに新しい施策を発表しますが、期末と年初は様々な調整ごとがあり何かと忙しいですよね。変革をスタートさせる場合、既に決まっている通常業務に割り込む形なので、これはこれで苦労が多いです。その部分の裏方話というか勘どころ、についてです。

 年初に会社方針が示されると、各事業部、各部門で上位方針に沿った方針を議論します。この議論を何回か繰り返し、縦横斜めの組織間で整合性をとり、お互いの情報をキャッチボールしていくなかで、最終的な重点施策、企業変革の方向性が決定されます。会社の中期計画とか、年次方針も同様のプロセスです。

 以前、トレーニングの中で企業変革、シックスシグマの話をしていたら、「ところで会社方針って、誰がどうやって決めるの?」という質問がありました。外資系のグローバル企業、日本でも大企業は、誰がどのようなプロセスで決めるのか、意外と見えないですよね。とても良い質問だと思いました。
 私が勤務していた企業では、年間の方針策定、ビジネス・人事・ファイナンスレビューなど、年間のビジネス日程はビシッと決まっていました。経営層の大切なミーティングにはグローバルとローカルで誰が参加するかも決まっていました。一般社員には細かく説明されていませんが、シニアマネージャー(部長クラス以上)になると、都度レビュー資料や方針策定へのインプットを求められます。これらオペレーション全体の流れをホワイトボードに書いて説明すると「スッキリしました、納得です」と返事をくれました。
 この辺りの意思決定プロセスも従業員、部下に説明すると納得感が高まるのかもしれませんね。新しいことをスタートするときのポイントです。丁寧に説明することは大切です。
 またこれも私の経験ですが、会社方針、部門方針策定に少しでも加わると、意識が変わります。単にトップダウンではなく、自分も参画しているからです。これは大切なポイントです。何か新しいことを始める場合、関係者に意見を聞くだけではなく、意志決定プロセスに少しでも関与してもらうと、後がスムーズです。

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執筆者について

井口 幸人

経歴

ライズマネジメント株式会社 代表取締役
オペレーショナルエクセレンス マスターブラックベルト
1986年にGE横河メディカルシステム入社、画像診断装置CT/MRIの営業技術、大学病院と共同研究、GEメディカル・アジアにてシックスシグマ・ブラックベルト(ビジネス変革のリーダー)の業務に従事。
2005年にコヴィディエンジャパン(医療機器)、OPEX(Operational Excellence)推進室長として、全社の変革プロジェクトを統括。その後、テバ製薬、ユーシービージャパンの生産部門でOPEX活動の責任者として従事。
2016年にライズマネジメント社を設立し、ビジネス変革のトレーニング、コンサルティングなどの活動を実施中。特にハンズオンでのプロジェクト実施、コーチングが得意です。   

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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