医薬原薬の製造【第25回】

2017/04/21 原薬

分液操作の自動化
筆者は、電導度計を使って分液操作の自動化を行っておりましたが、前述のようにいろいろな問題がありました。そこで、分液操作の自動化に使えるインライン分析計についてまず考察します。 分液操作の中でもっとも乱暴な方法は、水層がX (L)あるはずだから、X (L) を下から抜くというものです。液面計で抜き出し量を測って実施するのですが、差圧式液面計には比重換算の誤差があり、水層に有機層が混じったり、有機層側に水層がまだ残っていたりします。またエマルジョンが生成した場合、検出がほとんど不可能です。これは、あまりに乱暴でしょう。

そこでよく行われるのが、タンク下部に装着したサイトグラスを見ながら、バルブ開閉を行うという原始的なやり方です。これは作業員に大変な緊張を強いることになります。ラボの分液ロートの場合、界面が良く見えますが、タンク下部のサイトグラスで界面を見つけるのはなかなか大変です。

サイトグラスを見ながらの分析操作をなくすために、私の工場で行っていたのは以下の方法です。水層に少量の電解質を溶かしておいて、有機層との2層分離を行います。抜いた液の電導度をインライン測定しながら、分液操作を行うと、層が変わるところで一気に電導度が変わります。この原理によりDCSを使って自動的に分液操作を行うことができます。層分離が悪くエマルジョンができた場合、電導度は一気に変わらず、徐々に変わっていきますので、エマルジョン生成を検出することもできます。

前述しましたように、この方法ですと、水層に電解質が溶け込んでいないと電導度の測定値が低すぎて、水層と有機層の区別が難しいという問題がありました。電解質が溶け込んでいない、水だけでも使えるセンサーがあれば、分液操作を自動化することができます。

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執筆者について

森川 安理

経歴 アンリ・コンサルティング 代表。
大学修士課程で有機化学を専攻後、1977年旭化成工業(株)入社。スクリーニング化合物の合成、プロセス化学研究に一貫して従事。この間薬学博士号取得。その後、医薬原薬の工場長を10年経験。工場長として、米国、イタリア、豪州、韓国の当局の査察および、制癌剤を中心にする治験薬の受託生産を経験。旭化成ファインケム(株)を2013年2月末退職。2013年3月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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