ゼロから学ぶGMP【第13回】

2017/01/05 品質システム

5-10-8 継続的工程確認
 ここでGMP省令や関係する通知等には触れられていませんが事例集に記載のある、継続的工程確認について少し触れておきます。これはICHのQ8、Q9、Q10に関係することで、PIC/SのAnnex15 Qualification and Validation (2015年10月1日改訂)の改訂の際にも原則の項に「ICHのQ8、Q9、Q10及びQ11に示された関連する概念及びガイダンスも考慮すること」との文言が追加されています。これについては審査管理課、監視指導・麻薬対策課の連名の事務連絡(平成22年9月17日)のQ&AのQ3にも記載があります。その概略は継続的工程確認を通じての継続的モニタリングにより、工程管理された状態を製品ライフサイクルの全期間を通じて維持することができるとするものです。
 
5-10-9 洗浄バリデーション
 洗浄バリデーションの主たる目的の一つは、複数の製品の製造に対して使用する機械・設備等において、直前に使用した製品成分が次の製品へ持越される量が許容範囲内であることを検証するもので、3回繰返しのデータが必要とされています(事例集GMP13-56)。残留物質の限度値の設定方法は、基本的にはその物質の毒性を基準に定められますが、時には10 ppm基準(次製品への混入量は10 ppm以下であること)や目視による基準も採用されます。
 また事例集GMP13-55には洗浄バリデーションを実施する際の留意事項について記載されていますので参考にしてください。

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執筆者について

上田 泰生

経歴 1974年ミドリ十字入社、中央研究所配属。製剤研究部長、中央研究所業務部長を歴任。旧吉富製薬と合併後、信頼性保証部長としてGXP全般の監査を担当。その後2回の合併(三菱ウェルファーマ、田辺三菱製薬)を経る中で薬事監査部、品質保証部、薬制管理部を経験。2008年ニプロファーマ入社、本社品質保証部、城北工場品質保証部長を歴任。2013年退社。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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