ゼロから学ぶGMP【第12回】

2016/12/01 品質システム

5-9 第12製造所からの出荷
 医薬品の製造所における出荷という場合、普通はGMP省令に基づく「製造所のからの出荷」を意味しますが、他に製造販売業者の責任の下で委託されて行う「市場への出荷」があります。いずれも製造所の品質部門に属するものがその業務を行います。市場への出荷は平たく言えば、製造所からのに出荷判定後に、製造販売業者からの品質情報及び安全性情報の評価結果を受けて行うものと理解して間違いのないものと思います。
 GMP省令第12条の第1項では以下のように記載されています。
「製造業者等は、品質部門に、手順書等に基づき、製造管理及び品質管理の結果を適切に評価し、製品の製造所からの出荷の可否を決定する業務を行わせなければならない。」この条文の「製造管理及び品質管理の結果を適切に評価」の意味するところについては、事例集GMP12-1に記載されています。通常は手順書に則り、何事もなく製造、試験検査が行われればルーチン作業としての出荷管理はスムースに流れていきます。少し気を付けなければならないことは、当該製品に係る何らかの変更があった場合や製造工程中に何らかの逸脱があった場合です。変更の場合は、変更管理手順書に従って業務が適切に行われていることを確認しておく必要がありますし、「変更時のバリデーション」が実施されている場合はもちろん、そうでない場合でも変更の結果が品質等に影響を及ぼしていないことを、通常変更後3ロット程度監視しておく必要があります。逸脱が発生した場合には、当該逸脱が適切に処理され、製品品質に影響のないことの判断がなされるなど、逸脱処理が完了していることを確認しておく必要があります。
 製造販売業者から市場への出荷を委託されている場合は、品質情報及び安全性情報に関する情報を受けて市場への出荷判定を行います。このときGQP省令に記載されているように「適正に当該決定(市場への出荷判定)が行われるまで医薬品を市場へ出荷してはならない。」ことを念頭に置いておく必要があります。ここでいう市場への出荷は製造業の許可を有している保管場所から卸売り一般販売業の許可を有している保管場所(物流センターなど)への移動を意味します。

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執筆者について

上田 泰生

経歴 1974年ミドリ十字入社、中央研究所配属。製剤研究部長、中央研究所業務部長を歴任。旧吉富製薬と合併後、信頼性保証部長としてGXP全般の監査を担当。その後2回の合併(三菱ウェルファーマ、田辺三菱製薬)を経る中で薬事監査部、品質保証部、薬制管理部を経験。2008年ニプロファーマ入社、本社品質保証部、城北工場品質保証部長を歴任。2013年退社。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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