医薬品の外観目視検査における要求品質の明確化のために【第10回】

2021/10/08 品質システム

外観検査が必要な項目について解説する。

外観検査が必要な項目

1. 外観検査が必要な項目
 異物混入防止対策が不十分だったり、対策されていない場合は、異物混入のリスクが高まる。また、最終製品への異物混入を、検査で排除するだけでは、単なる選別であり、品質保証レベルの異物排除とはならない。このことは、医薬品事例集(2013)にも、以下のように記載されている。
 

[問]GMP24-8(無菌医薬品に係る製品の製造管理) 注射剤に係る製品の製造工程における異物検査に関する考え方を示してほしい。  

[答]異物検査の基準は日本薬局方に準拠すること。また、 「無菌操作法による無菌医薬品の製造 に関する指針」のA6.4.外観検査及び「最終滅菌法による無菌医薬品の製造に関する指 針」又は、関連指針の最新版等を参考にすること。本来、不良品は工程検査で除去しさえすればよいとの考えは好ましくなく、医薬品・医薬部外品GMP省令第24条第3号の規定に 基づき、製造工程において汚染等を防止するために必要な措置を講じる必要がある。

 まず、品目毎に外観検査に着目した検査全体像を描いてみることから始めるのがよいだろう。製造工程全般を見据え、外観検査が必要な工程をピックアップすることから始めたい。
 従って、製品だけを異物検査の対象にするのではなく、ステップ毎に異物の混入状況を把握することを推奨する。固形製剤も含め、検査対象とする工程を以下に例示する。
 前工程での異物混入が次工程の不良多発に繋がるため、工程毎に何に注目するかも把握しておきたい。

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執筆者について

新井 一彦

経歴 C&J 代表
化学系企業にてバイオテクノロジーを利用した医薬品の探索、開発研究に従事。その後、開発医薬品(無菌製剤)の製造工場立上げに製造管理者として関わりGMP組織体制、基本構想を構築した。
平成17年の改正薬事法完全施行に合わせ、新たに製造販売業を取得するため某ジェネリックメーカーの設立に関与。取締役信頼性保証本部長として総括製造販売責任者の責務を担った。
現在、C&J 代表として、講演、執筆、国内外のGMPコンサル業務活動を推進。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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