検査に関する一考

2016/06/23 品質試験

江沢 総

 私は検査関連の業務を20年以上経験してきました。いろいろな経験を積むにつれて、検査の結果が不良を減らすために有効活用されていないと強く感じるようになりました。というのも製造部門は検査結果が合格か不合格かだけを気にして、その内容についてはあまり気にかけていなかったからです。また、検査部門でも同様に、検査結果が合格であれば、その詳細についてはほとんど気にかけることなくそれで終了としていました。このような状況でお客様に不良のない商品をお届けできるでしょうか。本稿では不良を限りなく減らすために検査部門は何をなすべきかの私見を述べさせてください。


1. 何のために検査をするのか
 検査は何のために行うのかというと、お客様に不良品をお渡しないためです。お客様に迷惑をかけない、満足をしていただくためです。製造で常に不良を出さないということはたいへん難しいことで、何らかの不良は発生します。それを発見しそれが次工程に流れないようにしたり、出荷されないようにするのが検査になりますが、検査は不良を見つけて、その不良を流れないようにするだけで、不良品の発生を減らすことはできません。不良を減らす・なくすには発生した不良の原因を調べ、その原因をつぶさなければなりません。つまり検査の合否にこだわるのでなく、検査結果の内容にこだわらなければなりません。
 
2. 化粧品の検査
 化粧品の検査は次のようなものがあります。
 ・受入検査(原料、包材)
 ・工程検査(中身の製造、中身の充填、充填品の包装)
 ・製品検査(パッケージ外観、中身の性状/物性/成分/菌)
 これらの検査は定められた試験方法により試験を行い、当たり前ですがその結果を定められた規格値と照合し、規格内であれば合格、規格外であれば不合格となります。検査に不合格であれば、製造部門も検査部門も大騒ぎをしますが、合格の場合は、その内容を問わずそれでよしとすることが常ではないでしょうか。

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執筆者について

江沢 総

経歴 1978年、食品会社入社。医薬品バルク、健康食品、飼料添加物等の品質管理に従事。その後、化粧品会社にて輸入化粧品、医療機器、医薬部外品、健康食品、洗剤類等の品質保証体制の構築に携わった後、工場長を務める。
分析化学、品質監査、各種標準化、QCサークル活動と5Sに関する知識・経験を有し、ISO9000、GMPに基づく品質マネジメントシステムの構築、工場マネジメントを専門とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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