医薬品の外観目視検査における要求品質の明確化のために【第9回】

2021/09/10 品質システム

異物発生源となる箇所について。

異物混入ルート

1. 異物混入ルート
1.1 異物発生源となる箇所
 医薬品の製造エリアにおいて、異物の発生源となり得る箇所を例示する。製造設備、その周辺は当然ながら、製造棟全体の発生源を把握しておくことが重要である。まずは、自職場にこのような箇所がないかどうか確認すべきである。各図表(図表1~9)の中に、問題となるポイントを記載した。 
・更衣室
・殺菌灯
・アルミホイル
・台車等
・回転部
・パレット等
・床壁剥離
・清掃用具

 異物混入ルートを調査するには、とにかく現場をよく見ることが重要である。ただし、漫然と見ているだけでは、物事は見えてこない。思い込みを捨て、様々な視点から、問題となる場所、異物や虫の混入ルートを調査する必要がある。
 ここでは、物事を見る際の「3つの目」を紹介する。

▼鳥の目
大所高所から広い視野でもって物事全体を見つめていくことによって、マクロすなわち大局観を把握する目といえる(俯瞰)。

▼虫の目 
虫は地面に近いところで暮らし、狭く深い世界にいる。現場に接し足元を見つめ直す目である。つまり「近づいて」さまざまな角度から物事を 見るということである(ミクロの目)。

▼魚の目 
情報や事象が、どのような変化の中で発生したのかを忘れないための「魚の目」である。潮の流れや干潮満潮という「流れ」を見失うなという意味で、魚の目は、流れを見るトレンドの目である(魚眼:360°)。

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執筆者について

新井 一彦

経歴 C&J 代表
化学系企業にてバイオテクノロジーを利用した医薬品の探索、開発研究に従事。その後、開発医薬品(無菌製剤)の製造工場立上げに製造管理者として関わりGMP組織体制、基本構想を構築した。
平成17年の改正薬事法完全施行に合わせ、新たに製造販売業を取得するため某ジェネリックメーカーの設立に関与。取締役信頼性保証本部長として総括製造販売責任者の責務を担った。
現在、C&J 代表として、講演、執筆、国内外のGMPコンサル業務活動を推進。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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