薬機法改正、特にGMP関係への対応 その中での京都府の取り組み『京都府薬事支援センター』【第9回】

2021/05/28 品質システム

2.薬機法改正に伴う京都府薬事支援センターの活動
 前回までに解説させていただいた改正薬機法の内容ですが、内容によっては、その対応を迷うところもあるかもしれません。
 また、製造所からのGMP適合性調査申請の制度である「区分適合性調査」などは、利用するかは、製造所の方々に委ねられていますので、その詳細な内容がわからない中、まだまだ、様子見の方々も多いように感じています。

 実際に法改正に関してアンケートをさせていただいたところ京都府下では、次のような状況であることが確認されました。(なお、アンケート実施時期は、令和2年9月頃となります。また、以下の内容は、GMP対象製品の製造業者の方の情報となります。)

(区分適合性調査制度)
・ アンケートの結果から、利用しない予定の方が約半数を占めていました。
 なお、京都府内のGMP対象製造所の約70%は、複数の製造販売業者の方々の製品の製造を行っており、区分適合性調査を用いることにより調査回数を減らせるなどのメリットがあるのにも関わらず、このような回答数となっていました。
・ 区分適合性調査制度のメリットとしては、調査回数が実質的に減ることよりも、「調査時期が選べること」、「製造販売業者の方々の調査申請が省略できること」をメリットとして挙げている事業者の方々が多く見られました。
 

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執筆者について

田中 良一

経歴

株式会社シーエムプラス シニアコンサルタント。
2006年 京都府へ入庁。2009年より健康福祉部薬務課にて医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品、体外診断用医薬品製造業・製造販売業許認可やGQP/GVP/GMP/QMS調査を担当。日本当局のPIC/S加盟によるQMSの立ち上げに携わる。2018年に厚生労働省へ入庁、医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課 GMP指導官に就任、GMP/QMS関連の法・省令改正に従事。2020年に京都府へ帰庁、京都府薬事支援センターを立ち上げる。2024年7月にシーエムプラス入社。
業界活動としては、PDA製薬学会関西勉強会、過去には医機連QMS委員会、厚生労働科学研究に参画。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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