薬機法改正、特にGMP関係への対応 その中での京都府の取り組み『京都府薬事支援センター』【第5回】

2021/03/12 品質システム

3.法令遵守体制の整備について~早急な確認と整備の対応~
 次に、法令遵守体制の整備について、本年8月1日に施行される改正法に先立ち、製造販売業者及び製造業者が、責任役員の責任の下、社内における法令遵守体制の確認及び整備の対応を早急に行うよう、厚生労働省は、我々にその指導等を強く要求しています。

 私の書いた前回までの記事において、法令遵守体制の整備の法改正の内容についてご説明させていただきましたが、法令遵守体制は、「本来できているべき体制」です。

 細かな部分で言えば、改正法やそれらの法令、ガイドラインの内容どおり整備できていなくとも、当然ながら、全体的な組織体制として法令遵守体制は既に出来ていなければなりません。

 それらも踏まえて、厚生労働省は、まず現在の法令遵守体制の早急な確認を訴えています。

 京都府としても、まず早急に法令遵守体制の確認をしていただくよう、独自の通知を発出し、企業の方々にお願いしています。

 この確認の仕方は様々な方法が考えられますが、例えば、ご自身の会社の現行の法令遵守体制と改正法で求められている法令遵守体制を見比べていただき、その差分を明らかにし、その足りない部分を理解していただく。

 そして、その差があったとしても、法令遵守体制の整備が整うまでの間、組織として法令遵守が出来るかを考え、必要であれば応急的な対策等などを含めて実行いただくこと等が考えられます。

 また、このように、現行でも法令遵守体制が一定構築出来ていることを確保した上で、上記で確認した差分を埋められるように、優先順位を付けつつ、改正法に沿った体制整備をすすめていただく必要もあります。結果、8月を待たず、できる限り早期に改正法の趣旨に沿った法令遵守体制を構築してください。

 京都府では、これら確認や整備において迷うことがあれば、私が所属している京都府薬事支援センターに相談いただくことも可能となっています。

 皆さまにおかれましても、所管の都道府県の方と連携しながら、いち早く、ご自身の現在の法令遵守体制の整備状況を確認いただき、現時点でも適切な法令遵守が全うできる体制を確保いただくように努めて下さい。

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執筆者について

田中 良一

経歴

株式会社シーエムプラス シニアコンサルタント。
2006年 京都府へ入庁。2009年より健康福祉部薬務課にて医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品、体外診断用医薬品製造業・製造販売業許認可やGQP/GVP/GMP/QMS調査を担当。日本当局のPIC/S加盟によるQMSの立ち上げに携わる。2018年に厚生労働省へ入庁、医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課 GMP指導官に就任、GMP/QMS関連の法・省令改正に従事。2020年に京都府へ帰庁、京都府薬事支援センターを立ち上げる。2024年7月にシーエムプラス入社。
業界活動としては、PDA製薬学会関西勉強会、過去には医機連QMS委員会、厚生労働科学研究に参画。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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