医療機器業界の話題と今後の展望【第3回】医薬品と医療機器

医薬品の特徴
 医薬品の研究開発について、英語では "drug discovery" という言葉が「創薬」という意味で使われることが多い。 直訳すれば「薬の発見」であるが、医薬品とはまさに発見されるものと言えるだろう。多くの化合物の中から、薬として利用できる可能性のあるものを選別し、非臨床試験を通じて絞り込みを進め、さらに臨床試験を通じて適切適応と処方量を定めていくことが医薬品の開発プロセスになる。

図 9
 
 医薬品の本質は、ある特定の構造を持った分子や化合物である。このことはバイオ医薬品であっても同様である。出来上がった製品はある時は液状であったり、粉末であったり、錠剤であったりするが、医療機器のような加工組み立て製品のように部品があるわけではない。また、図に示したように、発見から商品化までは一直線のプロセスである。開発の途中段階から後戻りをして改善や改良を繰り返すということもない。また、医薬品製造業は装置産業ということも言える。基本的に原材料から製品までのプロセスはプラント拠点でほぼ完了する。部品や材料を調達し、加工や組み立てを行うことで最終製品が出来上がる医療機器とは製造のプロセスは異なる。

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