ヘルスケア製品(医療機器,医薬品等)の滅菌バリデーション並びに滅菌装置の国際規格についての最新動向【第3回(最終回)】

はじめに
 本シリーズの第1回及び第2回でその概要を示したが,エチレンオキサイド(EO),放射線及び湿熱(高圧蒸気)を用いたヘルスケア製品の最終滅菌法に係わる滅菌バリデーションのISO規格(ソフト規格)は国際的に整合された形となった。これに引き続き滅菌装置の仕様に関する規格(ハード規格)についても国際的な整合化の動きがある。これは滅菌保証の点から, IQやOQ等による従来の滅菌装置の性能検証だけでは不十分であり,滅菌バリデーションの基盤となる滅菌装置についてその設計開発段階から性能の確保していくという考えに基づくものでもある。一般にヘルスケア製品の製造装置の仕様に関する規格は現時点ではあまりない。一方,医療の分野では医療機器の滅菌処理は患者のリスクに最も深くかかわるために,表1に示すように医療機関で用いるEO及び湿熱滅菌装置については各国及び地域において,滅菌装置の要求仕様とその性能検証法を定めた規格(ハード規格)が発行されてきている。これらのハード規格についてもソフト規格にあわせて国際的な整合化はかろうというものである。このようなハード規格は主に医療機関向けの滅菌装置を対象としているが,ヘルスケア製品の製造業者が用いる滅菌装置へ参照が可能とすことを考慮して今回の改定及び整合化の作業がなされている。本稿ではヘルスケア製品の製造における,これらのハード規格の参照法についてもソフト規格と関連づけて説明する。
 
表1.医療機関向け滅菌装置のハード規格

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