医療機器業界の話題と今後の展望【第2回】デバイスラグとデバイスギャップ
はじめに
医療機器に関する話題を提供する第二回目として、デバイスラグとデバイスギャップをとりあげたい。聞きなれない方も多いかもしれないが、2000年代半ば以降、医薬品におけるドラッグラグという言葉とともに、その医療機器版ということで広がってきた言葉である。そして言葉の広がりは、医療機器に関するさまざまな議論が行われる契機にもなった。
デバイスラグとは
海外で使われている医療機器がなかなか日本の医療現場に導入されない、たとえ医師や患者さんが求めても使われるまでに何年もかかる、という状況がある。医薬品でも同様な状況(ドラッグラグ)があるが、それになぞらえた医療機器の状況を表している。2000年代の前半のころ、例えばペースメーカや植込み型の除細動器、人工心臓弁などは、欧米での承認から数年後にようやく国内で承認がなされるという状況があった。
図 4 デバイスラグの実態
その後、審査迅速化プログラムの実施など官民を挙げての様々な取り組みがなされているものの、依然として先進的な医療機器が国内に導入されるのは欧米に比べて遅いのが実情である。
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