医療機器業界の話題と今後の展望【第2回】デバイスラグとデバイスギャップ

2012/09/18 医療機器

はじめに
 医療機器に関する話題を提供する第二回目として、デバイスラグとデバイスギャップをとりあげたい。聞きなれない方も多いかもしれないが、2000年代半ば以降、医薬品におけるドラッグラグという言葉とともに、その医療機器版ということで広がってきた言葉である。そして言葉の広がりは、医療機器に関するさまざまな議論が行われる契機にもなった。
 
デバイスラグとは
 海外で使われている医療機器がなかなか日本の医療現場に導入されない、たとえ医師や患者さんが求めても使われるまでに何年もかかる、という状況がある。医薬品でも同様な状況(ドラッグラグ)があるが、それになぞらえた医療機器の状況を表している。2000年代の前半のころ、例えばペースメーカや植込み型の除細動器、人工心臓弁などは、欧米での承認から数年後にようやく国内で承認がなされるという状況があった。
 
図 4 デバイスラグの実態
 
 その後、審査迅速化プログラムの実施など官民を挙げての様々な取り組みがなされているものの、依然として先進的な医療機器が国内に導入されるのは欧米に比べて遅いのが実情である。

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執筆者について

大西 昭郎

経歴 東京大学工学部卒。ペンシルバニア大学ウォートンスクール修了(MBA)。通商産業省、マッキンゼー・アンド・カンパニー、経済協力開発機構(OECD)、株式会社インターネットイニシアティブ取締役、株式会社クロスウェイブコミュニケーションズ代表取締役などを経て日本メドトロニック株式会社取締役副社長。医療機器を含む新たな医療技術に関する政策課題などについて関心を持ち、2012年より東京大学公共政策大学院 特任教授を務める。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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