GMP適合性調査における6つのサブシステム【第6回】

2019/10/18 品質システム

1.製品原料材料保管等システムの目的
 「製品原料材料保管等システム」では、中間製品(中間体)、最終製品(原薬)に使用される水、ガスを含む原料、容器/栓 及び中間製品(中間体)、最終製品(原薬)を管理する方法と活動の遵守状況及び管理状態を調査することが目的である。
 また、確認項目としては、手順書・記録書、受入れ、区分、保管、表示管理、出納管理、不合格品管理、施設及び設備の適格性確認、設備・機器管理、校正、清掃管理、環境管理、出荷作業、教育訓練などが想定される。

2.製品原料材料保管等システムにおける確認事項
3-01:手順書・記録書    
 「製品原料材料保管等システム」の手順書・記録書については、「管理監督システム」において、文書管理として作成が求められている手順書類の内、製品原料材料等の保管管理に関する手順書の作成が該当する。「構造設備システム」においても確認事項となっているが、そこでは、構造設備を如何に設計し、維持するかを文書化しているかどうかを確認するものである。
 
3-02:受け入れ管理    
 受け入れ管理として、まず原料材料の供給者が、品質部門に承認されているかどうか。承認の手順が文書化されているか、適格性審査が完了しているかどうか、製品品質照査で売原料材料の受入試験実績が評価されているかどうか等が重要である。

3-03:区分保管管理    
 原料、材料、製品は、あらかじめ設定した区分毎に保管しなければならない。倉庫内の保管区分は、図面上に明記しておき、現場表示(査察対応も含め)も行うこと。
低温保存が必要なものは、設定された温度区分で保管すること。
また不合格品の保管区分を図面上に明記するとともに、施錠管理を徹底すること。

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執筆者について

新井 一彦

経歴 C&J 代表
化学系企業にてバイオテクノロジーを利用した医薬品の探索、開発研究に従事。その後、開発医薬品(無菌製剤)の製造工場立上げに製造管理者として関わりGMP組織体制、基本構想を構築した。
平成17年の改正薬事法完全施行に合わせ、新たに製造販売業を取得するため某ジェネリックメーカーの設立に関与。取締役信頼性保証本部長として総括製造販売責任者の責務を担った。
現在、C&J 代表として、講演、執筆、国内外のGMPコンサル業務活動を推進。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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