医療機器の生物学的安全性 よもやま話【第63回】

2025/03/21 医療機器

前回に引き続き国内通知のアップデートについて述べたいと思います。

国内通知のアップデート(続き)

 国内通知のアップデート予定の話題の続きをお示ししたいと思います。
 通知のアップデートで最も気になるのは、いわゆる星取表というものではないでしょうか。医療機器のカテゴリにより、生体への接触様式と、接触時間に応じて、評価すべき生物学的安全性の項目が示されている表が、星取表です。
 これについては、ISO 10993-1に記載される表を国内通知でもそのまま転用されてきました。前回もお示ししたように、ISO加盟国はISO基準を自国に取り込む際にモディファイするケースがあるのですが、日本では少なくともこの星取表はそのまま取り込んできています。
 次回のISO 10993-1の改訂で検討されている案が下記のものとのことです。

 現行版は下記の表です。 

 どこが変わるのでしょうか。
 一見して縦横の数が減っていることがわかります。

 まず縦の列については、現在では体表面への接触、体内と体外の連結、そして、インプラントというカテゴリで、それぞれ具体的な接触部位と、さらに接触時間に分けた分類になっています。一方、改定案ではカテゴリは接触部位も含めてひとつとして、それらについて接触時間に分けるという分類方法で、3因子から2因子に変わったと読めるかと思います。
 

 

 

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執筆者について

勝田 真一

経歴 一般財団法人日本食品分析センター 理事
1986年財団に入所し、医療機器、医薬品、食品、化粧品及び生活関連物資等の生物学的安全性評価に従事。1997年佐々木研究所研究生として毒性病理学及び発癌病理学研究に携わる。1999年東京農工大学農学部獣医学科産学共同研究員として生殖内分泌学研究。日本毒性病理学会評議員、ISO/TC194国内委員会、ISO/TC194 WG10 Technical ExpertやJIS関連の委員などを歴任。財団では薬事安全性部門を主管し、GMPやGLP対応を主導。情報システム部門担当を歴任。大阪彩都研究所長を経て現在北海道千歳研究所長。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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