【第10回】Pharma4.0と製造現場のデジタル化施策

Pharma4.0 スマートファクトリーへの挑戦 Challenge to the Pharma4.0


本コラムでは、Pharma4.0スマートファクトリーに向けた医薬品製造業の課題に対する当社の各種取り組みをご紹介します。大きな基盤づくりの方法論から、各種課題解決ツールまで、幅広くご紹介しますのでご期待ください。

第10回目は、「医薬品製造・研究現場での画像分析活用」をテーマに、製造業における4M(Man:人、Machine:機械、Material:材料、Method:方法)のうち、Manに焦点を当て、映像・画像を活用して現場で働く人を支援する取り組みをご紹介します。生産や研究の現場では、作業効率のばらつき、人為的ミスの発生や逸脱分析、現状の教育手法では十分に対応できない熟練工の技能継承や標準化の課題解決に向け、動画を用いた作業分析、VRによる作業教育のソリューションを取り上げます。

1.現実を撮影し、作業を数値化
最初にAIが組み込まれた画像認識技術についてご紹介したいと思います。弊社では、2013年から、人間の骨格をセンサーでデジタル化する技術を使って、人の動作を分析するソリューションを開発し、お客様に提供してきました。近年では画像認識技術の進化により、普通のカメラ映像から人の骨格を検知し、作業分析ができるようになっています。
弊社では動画を使った作業分析ソリューション「Human tracking」を提供しています。「Human tracking」は、作業品質向上のために、作業の数値化・定量化をし、作業者のサイクル時間、標準作業との差異、各要素作業時間のばらつきなどを分析できる環境を提供します。
【分析手順】
① 動画作業設定(お手本設定)
標準動画を撮影し、作業要素毎の開始時間を設定します(動画開始から何秒など)。
② 動画作業認識(標準動画と比較)
実際の作業動画から、お手本と同じ作業サイクルを特定します。
③ 作業分解
作業サイクルを要素作業に分解し、グラフ等で可視化し、ばらつきや異常を確認します。
 

パフォーマンス比較や改善効果の客観的な評価が可能となるほか、従来人手で行っていた作業分析を、システムが自動で行うため、長時間にわたる連続的な作業でも、データ取集と分析ができます。
作業計測技術を利用して、急激な動作のような危険行動や禁止動作の検知もできます。また、画像技術を使い服装の適正評価も可能です。これらの技術を組み合わせれば、総合的な安全基準の順守状況をモニタリングすることができるようになります。

図は現実撮影データの活用例

医薬品製造では、製品品質は設備に依存する部分が多いのですが、人の作業品質もまた重要なファクターです。弊社は業務システム導入を通して品質管理オペレーションの向上を支援してきましたが、「Human tracking」では映像を用いて人の作業の品質向上に貢献します。

 

 

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