【第2回】製薬業界におけるDX推進とペーパーレス化

2024/06/21 製造システム

「テンプレート」をキーワードに導入する際の失敗を防ぐポイントについて。

【第1回】製薬業界におけるDX推進とペーパーレス化の続きとなります。

システムのシンプル化が求められる中で、「テンプレート」をキーワードに導入する際の失敗を防ぐポイントを解説いたします。


1.Fit to Standard

DX推進に向けて注目される手法には「Fit to Standard」という考え方があります。 もともとはERP導入において、不足部分を開発して作るのではなく、外部システムを組み合わせて導入する手法として使われています。そのため、システムの複雑化を防ぐと共に導入コスト(期間/自社工数/価格)削減にも繋がります。

この手法を活用してペーパーレス化に当てはめると、「テンプレート」というキーワードへ直結します。

例として、逸脱業務のペーパーレス化を進める際は、システム内の細かい設定を使い自社向けに0から開発するよりは、システム内の業務テンプレートを活用しシンプル化を目指しながら導入コストを削減するイメージとなります。 
業務テンプレートとは、システムにあらかじめ搭載されている対象業務の専用入力フォーム(様式)と業務フロー(手順)のことをいいます。 

【図1】参照

同じ逸脱業務のテンプレートでも、システムによって違いがあります。 その違いは、各ベンダーのノウハウと対象システムの特徴を活かした作りになっていることが多く、業務の軸は同じでも、運用のしやすさやメンテナンスの負荷など、自社に合ったシステムであるか見極める必要があります。

ただ、業務テンプレートをそのまま使うことは容易ではないのが現実です。 これは、どのシステムにも言えることですが、100点満点のシステムは存在しません。多くの企業様に使っていただくことを考えて作られているため、どこかでマッチしない機能があります。 業務テンプレートについても、同じく各企業様の文化もあるため、完全にシステムに当てはまることは、対象業務によっては難しいのが現実です。 


 

 

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執筆者について

川野 剛志

経歴

Re:Volta(リヴォルタ) 代表

独立系IT企業に新卒入社し、医薬品・医療機器業界向けの自社パッケージソフト導入のコンサルティング営業を担当。
その後、大手メーカーのグループ会社へ転職し、医薬品業界の専属営業を担当する。
8年間にわたり、医薬品・医療機器業界のお客様に対して提案活動を展開。
2024年3月より企業の文化や人員不足による業務の圧迫など多岐にわたる課題に直面しているお客様へ最適な形で提案できるソフトウェア導入支援サービスの独立事業を開始。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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