「マラソン」第7回

2024/01/12 その他

京一~山を走る⑦~

17 東京の山
2018年4月、東京での生活がはじまった。

東京生活、最初の1週目。
忘れもしない。
人生で一番疲れた1週間のように感じた。
まったく知らない人の中で、仕事のことも教えられず、そして恐ろしいほどのメールが飛び交うなかで、自分の仕事を把握し、行っていく。
初めから即戦力として見られていたのか、当時の上司から遠慮なく怒号が発せられる。
「ここで2年間やっていけるのだろうか。」
その時は、そう思った。

引っ越しの関係で、1週目の土日は京都に戻った。
戻ってすぐに、行ったのは山だった。
見慣れた山、大文字山。
心が安らかになったことを覚えている。

「2年間だけ。頑張ろう。」
そう誓って、また東京に戻った。

2週目、1週目よりは慣れ、仕事が少しでき、1週目ほどの疲れはなかった。
「よし、週末は東京の山へ行こう」
そういう元気も出てきたのだ。

最寄り駅から電車で1時間強揺られ「高尾山」に到着した。

どうやら高尾山の山頂に登るルートは複数あるようだ。
最初はオーソドックスなルートから登ってみた。

「…地面が固い!!」
高尾山の最初のイメージはこれだった。
おそらく多くの人が訪れ登っているため、地面が踏み慣らされているのだろう。
京都一周トレイルも固いが、高尾山に比べればよっぽど柔らかいと思った。
 
そして難なく山頂へ到達した。
売店などもあり賑わっている。
「さすがだな~」

普通の人ならこれで満足し下山するところだと思うが、私は奥に進んでみることとした。
事前に調べていたところ、多くのトレイルランナーが小仏峠を経て陣馬山まで行き、それをまた帰ってくるものであった。
おおよそ30キロ。
山であるため、当然長い道のりである。
ただ今の私であれば、30キロは短い。

高尾山以降は比較的走りやすいコースで快適に30キロほどを終えることが出来た。
ただ、感想としては、地面が固いし、なんせ往復電車で時間とお金がかかるというものであった。
東京でトレランを続けるのは大変だ…と当時は思っていた。

 

 

2ページ中 1ページ目

執筆者について

京一(仮称)

経歴

GMP関係の仕事に従事、講演・執筆なども行っている。
7年ほど前、山登りに誘われたことをきっかけにトレイルランニングに没頭。
その傍らフルマラソンやトライアスロンにも挑戦。
100mile(約161キロ)のトレイルランニングレースを走るまでとなり、トレイルランニングが人生を変えるきっかけとなった。
その人生が変わっていく軌跡を仕事の傍ら紹介するため記事にしたためている。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

13件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年5月30日(金)10:00-16:30

バイオ医薬品の開発とCMC戦略

2025年6月16日(月)10:30-16:30~2025年6月17日(火)10:30-16:30

門外漢のためのGMP超入門

2025年9月10日 (水) ~ 9月12日 (金)

GMP Auditor育成プログラム第20期

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます