「マラソン」第2回

2023/08/04 その他

京一~山を走る②~

3 元気なオジサマ、オバサマとワタシ
山を走り出して5カ月ほど経過した時、『京一(京都一周トレイル(約70キロ)を一度で制覇)』を将来的にやることを踏まえると、少し走る距離を伸ばし、かつルートを覚えないといけない。
そのため、伏見稲荷大社から大文字山を越え、その後、銀閣寺から比叡山までの東山ルートと呼ばれるところをすべて1日で行くこととした。

当時の私は、銀閣寺から比叡山のルートは行ったことがなく未知の世界だった。
比叡山、なぜか聞くだけで身が引き締まるような感じがする。
修行の山、という漠然のイメージもあり険しいのでは…と少し不安にもなる。

朝早く、伏見稲荷大社を出発した。
道中、トレイルランナーや登山客とすれ違ったりした。
同じ進行方向に進む方々で、オジサマとオバサマの集団と遭遇した。
見た感じ当時の私より20~30歳ほどお歳を重ねているように見えた。
「結構、高齢な方も走っているんだな~」
そう思いながら、私はオジサマ、オバサマ集団を抜かして先を急ぐ。

大文字を下り、銀閣寺の近くのコンビニで休憩をする。
山を走る(歩く)のは、相当なカロリーを消費する。
コンビニでいつも、がっつり補給をする。(そのため痩せないのが難点だが…)
補給が終わり、いよいよ比叡山へ。

比叡山を登りだすと、あれあれ?
またオジサマ、オバサマ集団が現れた。
休憩の最中に抜かされたようだ。

オバサマ①「また会ったね~!今日はどこまで行くの~?」
ワタシ「比叡山までとりあえず行ってみようと思います!」
オジサマ①「お~、頑張ってね~。」

とトレランをしていると、よく交わす会話を交わし、また追い抜いて先に行くことに。
1時間ほど頑張って登っていくとケーブル比叡の駅に到着。
この時は、なかったが今では『HIEIZAN』というモニュメントがあり写真スポットとなっている。

ケーブル比叡駅にあるHIEIZANのモニュメント

ここで、缶ジュースを補給、休憩をした。

ケーブル比叡にあった『京都一周トレイル』の標識を見ると『北山 1』と標記されている。
東山コースを制覇したのだ。
なんとなく嬉しかったのを覚えている。
とりあえずここまで来ようと、思っていたので目的は達成。
ただ、この後のルートもどうなっているんだろうと興味が沸いた。
ケーブル比叡は、山の中。
結局下山するならと思い、先に進むこととした。

ケーブル比叡駅から北山ルートに入る。

4 まだまだ元気なワタシ~北山ルートへ~
北山ルートは『京都一周トレイル』の中で一番長いルート。
そのため、通常は2つにルートを分けて巡る。
北山東部が比叡山から大原へ抜け、その後、鞍馬、二ノ瀬へ進むルート。
北山西部が二ノ瀬から小さな山々を抜け、愛宕山の麓にあたる清滝へ進むルート。
この2ルートともに20キロ弱ほどある。

ケーブル比叡から一部、比叡山延暦寺の境内を通らせていただきトレイルを進んでいく。
途中では、横高山、水井山という比叡山のボス山達が待ち受けている。
横高山、水井山ともにその直前にある登りは、相当な急登で、疲れているときは本当にしんどい登りである。

そこを越えると大原までは下りとなる。
『京都一周トレイル』のコースでは仰木峠からボーイスカウト道(名前は可愛いが、相当な急な下り、足にくる。)を下っていくが、『京一』を行う場合は、よく東海自然歩道の方を抜け、大原にあるコンビニで補給をする。
ただ、この時の私は、はじめて行く土地でもあったこともあり、コンビニなどの立地もわからず京都一周トレイルのコースを進んでいった。

大原に下ると、お腹がペコペコだ。
ここまで来るとも思っていなかった。
ただ、まだ意外と元気、もう少し先に行きたいなという気持ちもある。
しかし、お腹が空いて空いてたまらない。

少し道路を北側に向かってみると食堂を発見。駆け込んだ。
食堂に行くと素敵なオバサマ2人が迎え入れてくれた。

食堂のオバサマ①『走ってきたの?どこから?』
ワタシ『伏見稲荷大社からです!』
食堂のオバサマ②『ひえ~、すごい!いっぱい食べて行って~。』

カレーうどんを頼んだが、自動的に超大盛に。
話を聞いて、気を利かせてくれたようだ。
その時、食べたカレーうどんは一生忘れない。(ただ、そのお店にその後一度も行ったことないのは内緒である。)

お腹も満たされ、先を進むことに。
そこからは街中を中心に抜けていく。
少しルートがわかりにくいところがあったが、迷いながらも順調に進んでいった。

江文峠という小さな峠を越え、少し行くと『薬王坂』へ入る。
『薬王坂』は非常に急な坂である。

薬王坂、京都一周トレイルは東海自然歩道の一部を通過する。

その時は相当疲れていたのもありヒーヒー言いながら登ったのを覚えている。
そして、『薬王坂』を下っていくと鞍馬に至った。
鞍馬寺、鞍馬天狗、そして京阪鞍馬駅もある。
少し行くと貴船神社などもある観光名所だ。
自らの足でここまで来れるのか…と当時思ったのを記憶している。

「さて、帰るか」

とはならず、夏の時期で日も長いため、自動販売機でドリンクを補給し、先に進むことに。
鞍馬駅から京阪電車と並行して公道を進み、二ノ瀬駅へ到着。
そこから『夜泣峠』へ進んで行く。

「怖い名前の峠だな~」

特に日の当たり方のせいか夕方は、トレイルの中はだいぶ暗い。
この時は、本当に泣きそうになるとは思わなかった。

二ノ瀬駅付近から夜泣峠へ

 

 

2ページ中 1ページ目

執筆者について

京一(仮称)

経歴

GMP関係の仕事に従事、講演・執筆なども行っている。
7年ほど前、山登りに誘われたことをきっかけにトレイルランニングに没頭。
その傍らフルマラソンやトライアスロンにも挑戦。
100mile(約161キロ)のトレイルランニングレースを走るまでとなり、トレイルランニングが人生を変えるきっかけとなった。
その人生が変わっていく軌跡を仕事の傍ら紹介するため記事にしたためている。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

13件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年5月30日(金)10:00-16:30

バイオ医薬品の開発とCMC戦略

2025年9月10日 (水) ~ 9月12日 (金)

GMP Auditor育成プログラム第20期

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます