「マラソン」第2回

京一~山を走る②~
3 元気なオジサマ、オバサマとワタシ
山を走り出して5カ月ほど経過した時、『京一(京都一周トレイル(約70キロ)を一度で制覇)』を将来的にやることを踏まえると、少し走る距離を伸ばし、かつルートを覚えないといけない。
そのため、伏見稲荷大社から大文字山を越え、その後、銀閣寺から比叡山までの東山ルートと呼ばれるところをすべて1日で行くこととした。
当時の私は、銀閣寺から比叡山のルートは行ったことがなく未知の世界だった。
比叡山、なぜか聞くだけで身が引き締まるような感じがする。
修行の山、という漠然のイメージもあり険しいのでは…と少し不安にもなる。
朝早く、伏見稲荷大社を出発した。
道中、トレイルランナーや登山客とすれ違ったりした。
同じ進行方向に進む方々で、オジサマとオバサマの集団と遭遇した。
見た感じ当時の私より20~30歳ほどお歳を重ねているように見えた。
「結構、高齢な方も走っているんだな~」
そう思いながら、私はオジサマ、オバサマ集団を抜かして先を急ぐ。
大文字を下り、銀閣寺の近くのコンビニで休憩をする。
山を走る(歩く)のは、相当なカロリーを消費する。
コンビニでいつも、がっつり補給をする。(そのため痩せないのが難点だが…)
補給が終わり、いよいよ比叡山へ。
比叡山を登りだすと、あれあれ?
またオジサマ、オバサマ集団が現れた。
休憩の最中に抜かされたようだ。
オバサマ①「また会ったね~!今日はどこまで行くの~?」
ワタシ「比叡山までとりあえず行ってみようと思います!」
オジサマ①「お~、頑張ってね~。」
とトレランをしていると、よく交わす会話を交わし、また追い抜いて先に行くことに。
1時間ほど頑張って登っていくとケーブル比叡の駅に到着。
この時は、なかったが今では『HIEIZAN』というモニュメントがあり写真スポットとなっている。

ここで、缶ジュースを補給、休憩をした。
ケーブル比叡にあった『京都一周トレイル』の標識を見ると『北山 1』と標記されている。
東山コースを制覇したのだ。
なんとなく嬉しかったのを覚えている。
とりあえずここまで来ようと、思っていたので目的は達成。
ただ、この後のルートもどうなっているんだろうと興味が沸いた。
ケーブル比叡は、山の中。
結局下山するならと思い、先に進むこととした。

4 まだまだ元気なワタシ~北山ルートへ~
北山ルートは『京都一周トレイル』の中で一番長いルート。
そのため、通常は2つにルートを分けて巡る。
北山東部が比叡山から大原へ抜け、その後、鞍馬、二ノ瀬へ進むルート。
北山西部が二ノ瀬から小さな山々を抜け、愛宕山の麓にあたる清滝へ進むルート。
この2ルートともに20キロ弱ほどある。
ケーブル比叡から一部、比叡山延暦寺の境内を通らせていただきトレイルを進んでいく。
途中では、横高山、水井山という比叡山のボス山達が待ち受けている。
横高山、水井山ともにその直前にある登りは、相当な急登で、疲れているときは本当にしんどい登りである。
そこを越えると大原までは下りとなる。
『京都一周トレイル』のコースでは仰木峠からボーイスカウト道(名前は可愛いが、相当な急な下り、足にくる。)を下っていくが、『京一』を行う場合は、よく東海自然歩道の方を抜け、大原にあるコンビニで補給をする。
ただ、この時の私は、はじめて行く土地でもあったこともあり、コンビニなどの立地もわからず京都一周トレイルのコースを進んでいった。
大原に下ると、お腹がペコペコだ。
ここまで来るとも思っていなかった。
ただ、まだ意外と元気、もう少し先に行きたいなという気持ちもある。
しかし、お腹が空いて空いてたまらない。
少し道路を北側に向かってみると食堂を発見。駆け込んだ。
食堂に行くと素敵なオバサマ2人が迎え入れてくれた。
食堂のオバサマ①『走ってきたの?どこから?』
ワタシ『伏見稲荷大社からです!』
食堂のオバサマ②『ひえ~、すごい!いっぱい食べて行って~。』
カレーうどんを頼んだが、自動的に超大盛に。
話を聞いて、気を利かせてくれたようだ。
その時、食べたカレーうどんは一生忘れない。(ただ、そのお店にその後一度も行ったことないのは内緒である。)
お腹も満たされ、先を進むことに。
そこからは街中を中心に抜けていく。
少しルートがわかりにくいところがあったが、迷いながらも順調に進んでいった。
江文峠という小さな峠を越え、少し行くと『薬王坂』へ入る。
『薬王坂』は非常に急な坂である。

その時は相当疲れていたのもありヒーヒー言いながら登ったのを覚えている。
そして、『薬王坂』を下っていくと鞍馬に至った。
鞍馬寺、鞍馬天狗、そして京阪鞍馬駅もある。
少し行くと貴船神社などもある観光名所だ。
自らの足でここまで来れるのか…と当時思ったのを記憶している。
「さて、帰るか」
とはならず、夏の時期で日も長いため、自動販売機でドリンクを補給し、先に進むことに。
鞍馬駅から京阪電車と並行して公道を進み、二ノ瀬駅へ到着。
そこから『夜泣峠』へ進んで行く。
「怖い名前の峠だな~」
特に日の当たり方のせいか夕方は、トレイルの中はだいぶ暗い。
この時は、本当に泣きそうになるとは思わなかった。

2ページ中 1ページ目
コメント
/
/
/
この記事へのコメントはありません。
コメント